ブレンパワード感想

最終話「飛翔」

この作品のテーマは、良くも悪くも含めて、「パートナー同士の情愛関係」といっていい。人間同士の情愛、親子、恋人、兄弟(姉弟)。そしてブレンやグランチャーと人間との情愛、パートナーの関係。であるならば、結論としては、オルファンが、かつて太古の…

25話「オルファンのためらい」

オルファンは少なくとも人類の敵ではない。オルファンをめぐっていがみ合っているのは人間たちの方である。ゲイブリッジの理屈も、バロンの純粋で極端な野望も、今更、オルファンは情愛的なものを欲しがっているのでは、と冗談交じりに言う伊佐未夫妻も愚問…

24話「記憶のいたずら」

依衣子にとっては、傷ついたクインシィグランはパートナーであり大事な存在だった。だから放って置けなかったのも無理はない。 それはヒメブレンを奪っても、家に連れて行って欲しいとブレンにやさしく頼むところからもわかる。しかし、依衣子が帰りたがって…

23話「スイート・メモリーズ」

ある程度先に書いてしまった部分もあるので、みなまでは言わないが、強いて言うと三つ。 オルファンに入った比瑪が、ゲイブリッジがガバナーだったことを知って怒り、それに対してゲイブリッジが彼なりの理想を語るが、後のバロンのクーデターの前ではただの…

22話「乾坤一擲」

前回のヒメブレンのチャクラシールドの膨張の余波で飛ばされた勇とクインシィ、それぞれのブレンとグランチャーがノヴィス・ノアにたどり着く。プレートのそばだと植物がよく育つので子供たちがノヴィス・ノア内で畑仕事をしている。カナンは疑いの目で見る…

21話「幻視錯綜」

ストーリー的には今回でゲイブリッジの真意がある程度分かる回で、その意味では今回こそ「ガバナーの野望」というべきだろう。今までの展開を見てきたならば、ゲイブリッジがやった、オルファン、ノヴィス・ノア、米軍をも巻き込んだ一芝居がいかに滑稽なエ…

20話「ガバナーの野望」

今更ガバナーの正体はゲイブリッジだった、と示されてもそれがどうした、という話で、彼には彼なりの信念があってリクレイマーとノヴィス・ノアを対立させたのだろうし、ガバナーの正体を知っているバロンもまだ沈黙したままである。だから、この二人の関係…

19話「動く山脈」

ナッキィと比瑪のブレンが勇とネリーブレンと接触。いきなりラストあたりのシーンになるが、勇がネリーと出会ったことで、これまでのキスギス感が取れ、素直に気持ちを言えるようになった。比瑪は勇が言うネリーに一瞬嫉妬らしきものを抱いているようだが、…

18話「愛の淵」

ネリーと比瑪との違い。それはネリーが、他のブレンたちと違い「恨み」や「憎しみ」だけでなく、生きることの「喜び」を得たいと思っているネリーブレンにネリー自身が救われたことにある。そこが(ブレンと心が通わせられるといっても)比瑪とヒメブレンと…

17話「カーテンの向こうで」

後半の展開に向けて、前々回でまずジョナサンを飛ばし、前回では勇を飛ばし、それぞれ二人の心境の変化を描くためにオルファン、ノヴィス・ノアから切り離す。 バイタル・ネットの結界のなかで、勇はネリーという少女と彼女のブレン、ネリーブレンに出会い、…

16話「招かれざる客」

前回でオルファンと地球上の生物との共生の可能性がありうると示され、新キャラ、ナッキィの連れてきたグランチャーとの共生も可能かもしれないということが示されるとなれば、もはや「戦争」をやっている状況ではない。ここで初めて今までの富野アニメで「…

15話「一点突破」

ラッセがカナンを得たことで過信した覚悟が、ラッセブレンやユウブレンに感染し、勇をも過信させたか、あるいは元々ブレンがオルファンに抱いていた敵意がラッセと勇をそそのかしたのかはっきりはしないが、そこに発生した負の情念のスパイラルは、ノヴィス…

14話「魂は孤独?」

この回は序盤の勇の長セリフが有名だが、ユウブレンに対してのものではなく、自分の苛立ちや混乱した気持ちをぶちまけた語りである。それはユウブレンが帰還した途端に、ユウブレンに対して急に優しくなって態度が豹変することからもわかる。結局、勇はまだ…

13話「堂々たる浮上」

オルファンがついに海面まで浮上してきたので、解釈論争をしている場合ではなくなった。浮上の影響で各地に被害が出ているならば、押さえつける行動に出るしかない。のはずなのだが、ドラマの本質は、それぞれの親子関係のいがみ合いであり、自分ではオルフ…

12話「単独行」

ひと言でいうと、クマゾーの存在が触媒になって、シラーの心情がある程度分かってくる話。相変わらずオルファンに対する解釈の違い、様々な現象に直面してころころ変わる推論や、それに過去の不幸の心情吐露まで絡み合うので、普通に見るとセリフが「説明的…

11話「姉と弟」

アノーアがいったん退場し、ノヴィス・ノアの新たな艦長に、船の「カウンセラー」的存在のアイリーンが就くのは実に「ブレン」らしい当然な流れ。そして新キャラ、カントの登場は、オルファンやブレン、グランチャーの存在が結局推論でしか捉えられないこと…

10話「プレートの誘惑」

前回の感想でほとんど語ってしまった感があるので、あまり付け加えることはないが、ジョナサンの言葉に傷つき、勇に諭されてもなお、息子を愛していると言い張りながらも「親」が出来なかったことを認めたくないアノーア。さらにそう言いながらも、「艦長」…

9話「ジョナサンの刃」

大富豪のモハマドが新キャラとして登場するものの、この回のメインははっきり言って、アノーア艦長とその息子ジョナサンとの再会。本来のリクレイマーとしての任務はどっかへ行き(笑)、ほとんど母への恨みつらみをぶちまけに来たとしか思えないジョナサン…

8話「寄港地で」

とりあえず小休止の回。 この作品はノヴィス・ノアのクルーたちが、ブレンというパートナーを獲得することで癒されると同時に、人間同士でもパートナーを得る話でもある。ナンガとコモドは前回でフラグが立ったし、今度はラッセがカナンにアプローチし始めて…

7話「拒否反応」

「子供」がゆがんだ道に進むか、健やかな育ち方をするのか、それは「親」(実の「親」でなくとも)の躾しだいというテーマをロボット物で見事に(対照的な例をみせてわかりやすく)表現した傑作回。そしてそれは「親」側の人間性をも試される問題でもある(…

6話「ダブル・リバイバル」

一言でいえば、今回はカナンがノヴィス・ノアにとりあえずの居場所を見つけて、勇の場合と同じく、ブレンパワードを何とか使いこなそう、いや、ブレンに乗ることで自分が癒される感覚を感じる話かな。 シラーの失態を、クインシィがあまりにも恐すぎるのでジ…

5話「敵か味方か」

親が研究熱心で子供の気持ちをわかってないというのはこれまでの富野作品にはよくあったけれど、さらにその上の、今更「女」としてゆれている駄目な祖母を出してきたのが面白いところ。そりゃ勇も依衣子も苛立つわけだよな。そしてリクレイマーにしろノヴィ…

4話「故郷の炎」

いきなり最初からキャラ立ちまくりのケイディは、「ブレン」までの富野アニメ、という括りで言うなら実に富野アニメらしい死亡フラグ(死んではいませんが)を立たせてくれて古参のファンとしては実に観易い(笑)。 この回は冒頭の「豚汁」という言葉が昔も…

3話「勇の戦い」

対グランチャー戦で、勇が街の電力を借りてマイクロウェーブを使うところは当時も今も、これはどう見てもエヴァのヤシマ作戦の「なぞり」(?)で、その意味では本作がエヴァあるいはエヴァ的なもの(「エヴァ的なもの」の方が今にあってるような気がします…

2話「運命の再会」

久々の観直しなので、やっぱり新鮮です。多分ほとんど初見の人と近い立場で感想書けそうな気もします。 村田秋乃はこの段階ではかなり下手なんですが(笑)、元気があって逆に気持ちがいい。個人的には、村田秋乃はソシエよりは宇都宮比瑪だし、青羽剛はグエ…

1話「深海を発して」

さっそく観ました。本放送時には例によって一回観ただけではよく分からず、神経質なアニメだなあとか思ってましたが、まあ、その後テープメディアに録画して何回か観ましたから、もう今回すんなりと観れてます。むしろこんなにわかりやすかったっけ、という…

予告。

「キングゲイナー」が終わってホントは「∀ガンダム」各話感想でもやろうかな、とか思ってたんだけど、すでにブームになってるので、結構あんまり観なおしてない「ブレン」にしました。 まあ、例によってゆっくりやるんで、物好きな方はお付き合いください。…