9話「ジョナサンの刃」

大富豪のモハマドが新キャラとして登場するものの、この回のメインははっきり言って、アノーア艦長とその息子ジョナサンとの再会。本来のリクレイマーとしての任務はどっかへ行き(笑)、ほとんど母への恨みつらみをぶちまけに来たとしか思えないジョナサン。母アノーアのジョナサンに対する行為は、ジョナサンを逆なでするばかりだが、ここに、富野アニメ典型の、「託児所」軍艦子供三人組大活躍パターンが絡み、主にクマゾーの行為が、ジョナサンが親から裏切られても独りでなんとかしっかり生きてきたことを逆にあぶりだす。自分のせいで危機に陥ったクマゾーを救おうとし、励まし、子供ながらのクマゾーの勇気を賞賛さえするのである。クマゾーの姿に自分を重ねたのかもしれない。
一方、「男」の役割を演じることに疲れていた上に、息子の突然の出現と、その息子が自分に放った言葉の刃がアノーアにとってはトドメとなり、次回で彼女を狂気へと走らせることになる。
いわば、「ジョナサンーアノーア、補完計画」の始まりの回である。