2008-01-01から1年間の記事一覧

最終話「飛翔」

この作品のテーマは、良くも悪くも含めて、「パートナー同士の情愛関係」といっていい。人間同士の情愛、親子、恋人、兄弟(姉弟)。そしてブレンやグランチャーと人間との情愛、パートナーの関係。であるならば、結論としては、オルファンが、かつて太古の…

25話「オルファンのためらい」

オルファンは少なくとも人類の敵ではない。オルファンをめぐっていがみ合っているのは人間たちの方である。ゲイブリッジの理屈も、バロンの純粋で極端な野望も、今更、オルファンは情愛的なものを欲しがっているのでは、と冗談交じりに言う伊佐未夫妻も愚問…

24話「記憶のいたずら」

依衣子にとっては、傷ついたクインシィグランはパートナーであり大事な存在だった。だから放って置けなかったのも無理はない。 それはヒメブレンを奪っても、家に連れて行って欲しいとブレンにやさしく頼むところからもわかる。しかし、依衣子が帰りたがって…

23話「スイート・メモリーズ」

ある程度先に書いてしまった部分もあるので、みなまでは言わないが、強いて言うと三つ。 オルファンに入った比瑪が、ゲイブリッジがガバナーだったことを知って怒り、それに対してゲイブリッジが彼なりの理想を語るが、後のバロンのクーデターの前ではただの…

22話「乾坤一擲」

前回のヒメブレンのチャクラシールドの膨張の余波で飛ばされた勇とクインシィ、それぞれのブレンとグランチャーがノヴィス・ノアにたどり着く。プレートのそばだと植物がよく育つので子供たちがノヴィス・ノア内で畑仕事をしている。カナンは疑いの目で見る…

21話「幻視錯綜」

ストーリー的には今回でゲイブリッジの真意がある程度分かる回で、その意味では今回こそ「ガバナーの野望」というべきだろう。今までの展開を見てきたならば、ゲイブリッジがやった、オルファン、ノヴィス・ノア、米軍をも巻き込んだ一芝居がいかに滑稽なエ…

20話「ガバナーの野望」

今更ガバナーの正体はゲイブリッジだった、と示されてもそれがどうした、という話で、彼には彼なりの信念があってリクレイマーとノヴィス・ノアを対立させたのだろうし、ガバナーの正体を知っているバロンもまだ沈黙したままである。だから、この二人の関係…

19話「動く山脈」

ナッキィと比瑪のブレンが勇とネリーブレンと接触。いきなりラストあたりのシーンになるが、勇がネリーと出会ったことで、これまでのキスギス感が取れ、素直に気持ちを言えるようになった。比瑪は勇が言うネリーに一瞬嫉妬らしきものを抱いているようだが、…

18話「愛の淵」

ネリーと比瑪との違い。それはネリーが、他のブレンたちと違い「恨み」や「憎しみ」だけでなく、生きることの「喜び」を得たいと思っているネリーブレンにネリー自身が救われたことにある。そこが(ブレンと心が通わせられるといっても)比瑪とヒメブレンと…

「のらみみ」と「シゴフミ」についての雑感からいろいろ随想

「のらみみ」はだいたいパターンが分かったけど(あれは要するに劇画「オバQ」だよね)、「シゴフミ」はまだ様子見かな。ただ今の段階で言っちゃうと、「のらみみ」と「シゴフミ」も現実の後追いをトレースしてるだけで、トレースの仕方、そのクオリティは高…

17話「カーテンの向こうで」

後半の展開に向けて、前々回でまずジョナサンを飛ばし、前回では勇を飛ばし、それぞれ二人の心境の変化を描くためにオルファン、ノヴィス・ノアから切り離す。 バイタル・ネットの結界のなかで、勇はネリーという少女と彼女のブレン、ネリーブレンに出会い、…

16話「招かれざる客」

前回でオルファンと地球上の生物との共生の可能性がありうると示され、新キャラ、ナッキィの連れてきたグランチャーとの共生も可能かもしれないということが示されるとなれば、もはや「戦争」をやっている状況ではない。ここで初めて今までの富野アニメで「…

15話「一点突破」

ラッセがカナンを得たことで過信した覚悟が、ラッセブレンやユウブレンに感染し、勇をも過信させたか、あるいは元々ブレンがオルファンに抱いていた敵意がラッセと勇をそそのかしたのかはっきりはしないが、そこに発生した負の情念のスパイラルは、ノヴィス…