「のらみみ」と「シゴフミ」についての雑感からいろいろ随想

のらみみ」はだいたいパターンが分かったけど(あれは要するに劇画「オバQ」だよね)、「シゴフミ」はまだ様子見かな。ただ今の段階で言っちゃうと、「のらみみ」と「シゴフミ」も現実の後追いをトレースしてるだけで、トレースの仕方、そのクオリティは高いんだけど、後追いで精一杯なだけで、現実のその先を越えることが出来てない。

ネットで様々な大量な現実、リアルな実態が露になりすぎて、かつ、ネットの話題が現実にも影響を与えて実体化してるために、とてもじゃないがアニメ単独ではカバーできない。『らき☆すた』も思えば旬だったころのニコ動に見事にハメられた感があるし。

ここで唐突にアニメ版の「スクールデイズ」を思い浮かべるのだが、最初は非難していたんだが、最近は肯定してもいいかなと思った。

なぜかというと、とにかく現実の膨大な情報にいちいち付き合ってると埒があかない、返って今時代がどうなってるか、混乱してわからなくなる。

その点、「スクイズ」は瑣末な要素をすっとばして、ざっくりと今の時代の現実は身も蓋もないってのをストレートに示したからあれほど受けたんだろう。ちょうど、放送自粛という付加価値でその点がさらに強調されたし。

何でなんでしょうね。アニメ全体が底上げされたと思えば良いことなんでしょうが、逆に上限というか何か限界のようなものも見えてしまってるというのはあるのかもしれません。

話を戻すと、DVDが売れないことが問題として表面化してるけど、少なくとも個人的にはそこまでのめり込めるような作品がないと感じてるんですよね。どのアニメも平均値が上がってきているように感じられるというのと、それでいて突出した作品が少ないのと本数そのものが多いのの合わせ技で、テレビで1回見るとある程度満足できちゃって、あえてDVDを買おうというところまで食指を動かせずにいるのかもしれません。1話辺りの単価が高い割には、これだけ昔に比べれば平均値が高いと感じられる作品が存在すると、買ったDVDを後で見直すというところまで手が回らないっていうのもあるんですよね。

http://d.hatena.ne.jp/phase-d/20080114#p1


最近のアニメは原作物が多すぎて、原作ファンからしてみれば、原作レイプで騒いだり、原作をそのままトレースしただけで不満に思ったりクオリティが高ければそれで絶賛したりするけれど、俺的には古い世代なので、オリジナルものがもっと増えて欲しいんだけど、そのオリジナルものの出来も高が知れてる。過去のアニメの名作に囚われていて、煮詰まっているし(某ドリルアニメとかドリルアニメとかドリルアニメとか)。

俺の実感では最近は表層的な平均値的なクオリティは上がったけれど、原作ものもオリジナルも脚本の出来の悪さが致命的だと思う。これはもっとも、よく知らないがテレビドラマでも同じ状況のようだ。

時事放談ねとらじでオリジナルを作るにはリスクが高すぎる、バクチを打つようなものだというのがあったけれど、確かに原作これだけ売れてます、安心して金集められますよね、視聴者もどこの馬の骨かわからないタイトルよりは有名タイトルの方が食いつきいいし、ネット上ではいい意味でも悪い意味でもコミュニケーションツールになるし、それはそれで仕方がないのかと思う。


しかしこの状況、いつまで続くんでしょうね。
まあ、久々に最近のアニメ状況についてとりとめないお話でした。


追記。あとから読み直してみたら、あまり書く意味なかったような気がしてむなしい。