ボンバーマン・ジェッターズ 52話(最終話)

脚本/前川淳、コンテ・演出/小寺勝之作監香川久


最終回。

これはまたコメントしにくい最終回だな…いや、いい意味で…
セリフを書き出すわけにもいかないし…



もはや戦闘は意味がないのだろう。

シロボンが投げたボムはMAXが盾にしていたシャウトの体を通り抜け、MAXの体をも通り抜ける。それはこけおどしではなく、ゼロの体から、MAXの心を追い出すためのボムだった。シロボンは叫ぶ。ボムの力はボムにあらず、心にあり。ボムの力はボムの中にあるんじゃない、いろんなものの中にあるんだ。ゼロさんから出ていけ! MAXの心! MAXの心がゼロの体を抜け、ゼロは倒れる。ゼロはそのまま動かない。シャウトはワープ装置が破損しているのを発見する。Dr.アインはそれを知っていた。ありがとう、よくやった。誰もお前たちを恨んだりはしない、ボン婆さん、バグラーら年寄りが、シャウトとシロボン、ふたりの若者に言う。シロボンとマイティの約束。シロボンが修行で泣かなくなったらマイティはジェッターズをやめ、必ず帰ってくると約束したこと。マイティが単身ヒゲヒゲ団の基地に乗り込んで戦い、そのあとジェッターズをやめようと思っていたこと。バーディは、奴はまだ約束を果たしちゃいない、と言う。あいつが約束を破るはずがねえ。ムジョーの声。こら、ゼロ、いつまで寝てんだ、さっさと起きろ、とミスティ。ボンバー星の子供たちがゼロに呼びかける。起きたよ、とゼロ。やさしいマイティも、あのMAXも、同じマイティだ。おなじものの、表と裏にすぎない。さっきMAXが死んだとき、僕の中の何かも死んでしまった。最後まで僕になかで隠しておこうと思っていたものがある。でもそれじゃ、マイティが約束を守れないんだね。シロボン、君に、7つ目のボムスターをあげよう。そう言ってゼロは倒れ、胸から光が空に向かって放たれる。その光は、大きなマイティの姿を浮かびあがらせた。それは、マイティの最期の姿だという。シロボン、見るんだ。マイティの最期を。これが僕の最期だ。だけどシロボン、君にとってははじまりなんだ。ゼロさん! 泣くなシロボン、まだマイティとの約束は終わっていない。死なないでゼロさん! ゼロはマイティのジェッターズバッジをシロボンに渡そうとする。これを、マイティに返すんだ。空のマイティを見上げるシロボン。映像のマイティが気がつく。もう少しで終わるんだ。あと、もう少し。アインとボン婆さんの回想。マイティは、年寄りたちを恨んでいたのか。ゼロは答える。あなたの知っているマイティを信じてください。マイティは、自分で決めたんです。マイティはバッジがないことに気付く。困ったなみんなと連絡がとれないや。バーディがそれに答える。俺はここにいるぞ! や、やあ、僕のバッジを知らないかい? ゼロが答える。見つけたよ。今、君の弟が持ってる。そうか、知らないか。困ったな。約束を守れそうもないっていうのに…もし、僕が死んだら、みんな、僕のこと、覚えててくれるかな…バッジがあれば、みんなの声が聞けたのにな…。ずっと黙っていたシロボンが反応する。一人ぼっちか…さあ、終わりにするぞ、家に帰るんだ! 一人ぼっちじゃないよ。サニティボム! 大丈夫だよ、お兄ちゃん。ボンバー(シロボンも小声で言う)シュート!(シロボン、マイティの映像に向かって、マイティのバッジを投げる)光が広がり、マイティの映像は消える。ありがとう、シロボン。ゼロが息絶える。そして、投げたマイティのバッジが光りながら帰ってくる。お帰り、兄ちゃん。そうシロボンが言った瞬間。光が広がり、ボンバー星とジェッター星を包む。無粋を承知で理屈をいえば、シロボンは、ボムの力はボムの中にあるんじゃない、いろんなものの中にあるんだ、と言った。それらがボムクリスタルと作用し、ボンバー星とジェッター星の衝突は回避されたのかもしれない。



Bパート。後日談。同時にスタッフクレジットの表示が開始。ミスティのもとに、生前ゼロが出した手紙がとどく。そこには、31話の回想で、マイティがミスティに渡そうとしていたジェッターズバッジのありかが記されていた。シャウトの母親の墓参りに来た、シャウトと父親のツイスト、シロボン。バーのママとすれ違う。墓前で、ツイストさんは初めて喋り、再婚の意志があることを娘に伝える。平気なの?と問うシロボンに、お父さんを応援するとシャウト。それよりさ、7つ目のボムスターってないじゃん。ゼロさんがあげるっていってたのに。シロボンは自分の胸を指差し、7つ目のボムスターはここにある、と答える。ジェッターズ、ヒゲヒゲ団双方そろって宴会があるらしい。Dr.アインとバグラーはともにボン婆さんに振られたことで仲良くなっている。しかし、バグラーが持っていたボン婆さんのハンカチがきっかけで、またしてもいさかいが始まってしまう。そして、いつもの楽しいジェッターズとヒゲヒゲ団の関係が再開する。やれやれとその情景を見ているバーディ。バーディが寄りかかる車の運転席にはナイトリーの姿。


宇宙に一つしかないものを持って逃げるムジョーとヒゲヒゲ団、それを追うボンゴ、ガング。ムジョーの前に立ちはだかるシャウトとシロボン。シロボンはボムを投げる。
それは、大人と子供の、永遠に続く、楽しいごっこ遊び。

そして‥‥
かつてマイティが石をボムで咲かせた花は、その場でしっかりと根付いている。



スタッフの皆様、お疲れさまでした。
素晴らしい作品を、ありがとうございました。

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