ボンバーマン・ジェッターズ 51話

脚本/前川淳、コンテ/小寺勝之、演出/菊池康仁


ラス前にして傑作が復活。


冒頭から足りないギャグ分を入れつつ、ラス前スタート。
シロボンたちを信じ、ジェッター星、ボンバー星双方から誰も逃げようとしない。
ボン婆さん、Dr.アイン、バグラーの再会。
ここでも今までの不義理を詫びるかのようにギャグで流す。
サブタイトルを挟み、シリアスヘ。
シロボンがダークフォースボンバーの相手をし、
シャウトはワープ装置のもとへ向かう。
シロボンは、今まで自分を支えてきてくれた人々を思い出し、
ついにシャイニングファイヤーボムを投げる。
ダークフォースボンバーはそれを受けて合体が解け、
もとに戻ったメカードの前でシロボンは拳を振り上げるように見せて、
ジェッターズバッジを自慢する。
実に『ジェッターズ』らしい、良いシーンで、これが観たかった。
メカードはシロボンに向かって合体ボンバーマンの光線を当てようとするが、
ダイボンとオヤボンに邪魔され、光線を自分が受け、
小さな赤い水晶(?)のようなものになってしまう。
ボムクリスタルと関係があるのか。


もう一つのシリアス、ゼロ対MAX。
ゼロのセリフがまた良い。

僕が投げられないと思っているんだろう。
光が強ければ強いほど、暗い影も闇につつまれていく。
君は、君が持っている闇の方が暗いと思っているようだが、
それは違う。MAX、忘れてもらっては困る。マイティを殺したのはこの僕だ。
僕が全ての元凶だ。どんな卑怯な方法を使っても、僕が全ての片を付ける。


闇の深さゆえか、MAXのボムはゼロには効かない。
だが、そこへシャウトが来て、MAXはシャウトを盾にし、
ゼロはどんな卑怯な方法を使っても、と言ったものの、
「やさしさ」があるためにボムを放てない。
MAXの攻撃を受けるゼロ。しかし、MAXと組み合ったままゼロはボムを使う。

そのボムの爆発をTV中継で見ていたボン婆さんがバグラーに言う。
これも名台詞。

誰が悪いんでもない。じゃが、誰も責任がないわけでもない。
マイティのことをわかってやれなかったわしの責任。
おまえとアインのいさかいの責任。
しかも起ってしまったことは、二度ともとには戻せないんじゃ。
わしらはあと少しで死ぬからいい。
でもこの子たちはどうする。
わしらは、自分たちのやったことを、この子たちに押し付けて死ぬしかないんじゃぞ。


ボン婆さんをめぐっての、バグラーとアインのいさかいは、
描写としてはギャグだったはずなのに、それをギャグでは終わらせてない。
これもまさに『ジェッターズ』らしさ。


そして、

ワープ装置のある場所。ゼロとMAXが戦っていた場所。
そこにシロボンがやってくる。


すまん。ここからネタバレになるが一気に書くので注意。

シロボン「やったね、ゼロさん、MAXに勝ったんだね!」
ゼロ「どうやら、奴の方が一枚上手だったようだ。爆発する寸前、MAXは自分のデータを、全て僕に転送した。シロボン、僕はもうすぐMAXに乗っ取られる」
シロボン「ええ!? ゼ、ゼロさん!」
ゼロ「いいな、シロボン、今すぐこの体を破壊するんだ」
シロボン「え?」
ゼロ「シロボン、僕はマイティじゃない。僕がマイティを殺した。だから、気にするんじゃない」
シロボン「違うよゼロさん! ゼロさんは言ったよ! 兄ちゃんはそんなことをしたって喜ばないって!」
ゼロ「本当は、自分ですべての片を付けたかった。付けなきゃならなかった。くそう! 僕は最後まで何もできないのか!」
シロボン「ゼロさん! 兄ちゃんは大丈夫だって言ったじゃないか! 大丈夫だって言ったよ!」
ゼロ「ごめん、シロボン…」


シロボン「僕に全部押し付けるな!」


ゼロ「…えっ…シロボン?」


シロボン「兄ちゃんのバカー! 兄ちゃんだってできないことを僕に押し付けるな!兄ちゃんが嫌なことは僕だって嫌なんだ! こんな嫌なことばっかりのボンバーマンなんかだいっきらいだー!」
ゼロ「シロボン…」
シロボン「なんで死んじゃったんだー! ボンバー星に帰ってくるんじゃなかったのかよ!うそつき、うそつきうそつきー!」
ゼロ「シロボン…でも、僕は…」
シロボン「大丈夫なんだ、お兄ちゃんはそう言ったんだ! だから全部大丈夫なんだ!」
ゼロ「シロボン、僕を…僕を許してくれるのかい?」
シロボン「許さない、許さないよ! でも兄ちゃんはそう言ったんだ。みんな僕を助けてくれたんだ。だから、僕もゼロさんを助けるんだ!」


そう言って、シロボンは自分の胸にジェッターズバッジを付ける。


ゼロ「それは?」
シロボン「僕のバッジ」
ゼロ「え?」
シロボン「さあ、ゼロさんもバッジを付けて!」
ゼロ「シロボン?」
シロボン「バッジを付けて!」
ゼロ「シロボン…」


バッジを付けようとするゼロだが、途中でバッジを落としてしまう。
MAXがゼロを乗っ取ったのだ。MAXはシャウトを盾にする。


シロボンの中でマイティの声がする。

大丈夫だよ、シロボン。君はもう、答えを知っているだろう?


それは、石を花に変えたボム。


ファイヤーボムを掲げるシロボン。
そしてシャウトに、大丈夫、大丈夫だよシャウト、と言う。
シロボンの言葉を信頼するシャウト。


次回、最終回。