カラフル

「河童のクゥ」に続く、原恵一監督の最新作。
7月に試写会で一回、昨日の公開日に二回目鑑賞。試写会時は比較的客観的に観られたが、二回目は構えずに行ったので破壊力が半端なく、自分でも驚くほど涙腺緩みっぱなし。

以下、なるべくネタバレ回避しつつ、自分なりのポイントを。観た人は分かると思うが。

  • 早乙女君の存在がこの話のキモ。最重要キャラ。
  • お母さんの「手」の芝居だけで見せる人妻のエロさ炸裂。かつ真の母親の中の「女」に対する嫌悪感も兼ねてる。
  • 唱子(CV:宮崎あおい)のブサ可愛さ萌え炸裂。
  • ひろかに対して、真の中の「男」が反応するとき、ちゃんとひろかの太ももアップカットに行く。
  • (破滅型とも思える)ひろかが泣きじゃくりながら心情吐露するシーン、涙のかわりにひろかが握った黒い絵の具が床にたれる。
  • ブラタモリ的、玉電の支線、砧線跡めぐり。
  • ドラマ上必要な冷たさが相変わらず(原監督的に)容赦ない。
  • イメージソングの尾崎豊のカバー曲は映画本編では劇中の店内曲としてわずかに流れるのみ。
  • そのかわり、EDがブルーハーツの「青空」のカバー。試写会で観たとき、それはそれでなんてベタなチョイスなんだと思った。

テーマ的には、現役中学生が観るべき作品だと思うが、あまりに地味すぎてなかなか興味を持ってもらえないかもしれない。思春期の時期の気分を客観的に認識するには、ある程度年を取らなければ(思春期から距離を置かなければ)出来ないし、その意味ではやはり大人から見てよく分かる映画かもしれない。原監督らしい徹底した客観性がよりそういう映画の性格を補強している、と感じた。