アニメ定点観測2010夏、など

老齢の親と一緒に暮らしている身としては、部屋をまたいでLANケーブルが走っているのはそろそろまずかろう、バリアフリーを考えねばなるまい、ということで、無線LAN環境に移行しまして、その電波状態のテストもかねて書いています。

個人的に今年の2月ころから創作モードに入ってしまって、アニメ視聴との両立はなかなか難しく(単純に考えても時間が取られますからね)、冬アニメと春アニメの一部はまだHDDに溜まりに溜まったままです。容量が限界に来たので仕方なく消化し、消化する時間もなければ視聴せずにバッサリ消去の連続です。まあ、何を観て、何を観てないのかを詳しく書こうとするとだらだらとまた長くなってしまうので今の状況を書きましょうか。

6月初めくらいに創作モードが落ち着き、さて、アニメ視聴を再開するかといったときに、ある程度選別してはいるものの、録画がたんまりあるわけですねw 
つくづく、アニメ視聴って習慣づけが必要な行為になったんだなあ、とそのとき感じました。
良いか悪いかは分かりません。でも、あえて言ってしまえばあんまりいいことではないような気もしますが、即時性を持つツイッターの普及ともあいまって、リアルタイム実況だけでなく、その特性に引きずられるかのように、作品の評価や議論も即時性を求められる雰囲気があるように感じられました/します。

春アニメの具体例を挙げれば「Angel Beats!」ですか。自分は1話で切って、途中で話題になっていることを知って録画を再開したわけですが、その後、最終回しか見ていません。完全ではありませんが、録画した分を観ようとも思いましたが、すでに話題は下火になっていましたから、今さら何か書いてもなあ、という気分なわけです。

かなり前に、昔のアニメ再放送の代替えをニコ動で出来ないのか、というのんきな素人考えを書いて、事情の詳しい人にさんざん突っ込まれたりもしましたが、ユーチューブに一部公式チャンネルが出来、今では、数は多くはありませんがニコ動にも公式でアニメ配信がされてるような有様です。背に腹は変えられんといったところでしょう。さらに新作アニメに関しては、ほぼ公式のネット配信でも多少地上派放送に遅れて観ることが可能で、以前に比べれば充実しています。ネット環境さえあれば大昔からの地域格差は、たんに「観るだけ」なら解消されつつあります。

問題があるとすれば、映像を所有したいと思ったときに、ブルーレイなりDVDなどのパッケージソフトの価格が一向に下がらないということでしょう。だから、より画質のいい地デジ等での録画で映像を所有する行為もまだ残るでしょう(ストリーミングではなく、ダウンロード販売の可能性については自分は事情通でもないので分かりません)。

そして、地上派、あるはネット配信(公式、違法のものも含め)、あるいはレンタル等で「観られればいい」層と、録画したものを丹念にメディアに保存したりパッケージソフトをほいほい買える層、どちらが多いか、という問題があります。

さらに、これは他人にもよりますがパッケージソフトを買う価値があるものがどのくらいあるのか、というのもあります。

個人的には、最近は去年からのアニメ劇場版ブームがまだ続いていて、ソフトは買うほどでもないけど、話題の即時性に対応できるのと1800円程度の料金、何よりテレビシリーズと違い、約二時間拘束されるだけで済む、という理由から実は歓迎しています。ただしそれぞれの作品の質に関しては無責任に無視しています(しつこくこだわるほどの興味もありません)。一般的には、ツイッターと組み合わせたUstの生配信、ニコ動の生放送などの擬似的一体感よりもダイレクトに生なイベント性があるからだろうとも思います。

そこでようやく、例の「宇宙ショーへようこそ」の話になるわけですが、公開直後、ほぼ詰め込み過ぎと言われ、「映画」にこだわる人は「映画」になってないとも言われ、よく出来てはいるが、微妙なのか、と思えば、素直にすばらしい、という感想もあったりして千差万別です。脱線しますが、この作品に限らず、最近、人によって作品の評価、感想が本当にバラバラです。見方が人によって違うのか、あるいは感想なりを言葉にするとき、上手く言葉に出来ないときに、先に書かれている感想にそのままのっかるか、あるいは他人と違う見方をあえてしようとしているのか。考えすぎかもしれませんが、そう邪推してしまったりします。

で、自分の「宇宙ショーへようこそ」の感想を書くとするならば、あくまで個人的な感想ですが(←最近、こういう但し書きを前もってしておかないといけないような雰囲気、予防線を張るような空気を感じて実にやりにくいのですが)、まず詰め込み過ぎ、で、アニメでも「テレビアニメ」と「劇場アニメ」をきちんとわけて観る人間なので、まず「映画」になっていないのは同感。同じく、以前「映画」になっていないと感じた劇場アニメで「涼宮ハルヒの消失」というのがあって、あれは30分もののテレビアニメを4〜5本ただ繋げただけ、という印象だったわけですが、「宇宙ショー」もそうなのかと思っていたんですが、劇場で観てから時間がたって(一回しか観ていませんが)、詰め込み感もなく、ただ数本のテレビアニメを一気に観た感じの「ハルヒの消失」と違い、「宇宙ショー」の詰め込み方、こだわり方は一本の「映画」としてはやはり異常で(いやそういう「映画」もあると言われてしまえばそれまでですが)、一本の「映画」前提として考えるならまず、「構成ミス」と言葉が出てくるんですが、ハルヒが「数本のテレビアニメの一気見」感だったとすれば、「宇宙ショー」は「テレビアニメ」ではなくて、かつての「OVA」シリーズを数本つなげたものを見させられたというのがより正確な自分なりの実感です。

「テレビアニメ」ではなくて、かつての「OVA」であると考えれば、この細部にいたるまでのこだわり感も納得できます。それもかつての「OVA」の、わざわざ高い金を払うに見合うほどのこだわり感なわけです。だから、あの映像美など、劇場のスクリーンで観るのもいいわけですが、実は、何度も繰り返し観たり、一時停止して気になるところを確認したり、という至極まっとうなパッケージソフトのあり方で作られた作品だったと今になって思います。

ちなみに、「マイマイ新子と千年の魔法」は「映画」と「パッケージソフト」の中間くらいだと捉えています。さらに、「時かけ」以降の細田守作品、「サマーウォーズ」等はまずより一般層受けを狙った「映画」であり、ヒットの結果として「パッケージソフト」が売れる作品だと思っています(「貞本キャラはマニア・一般の両面攻撃が可能な数少ない存在」と藤津亮太氏のツイート(http://twitter.com/fujitsuryota/status/17292261638)で見かけましたが、あの汎用性の高さはジブリタッチに十分対抗できるデザインでしょう)。で、まだ未見ですが原恵一監督の新作「カラフル」はおそらくガチガチの「映画」だろうと思っています。

また長くなりました。実は「けいおん!!」は比較的リアルタイムで観てるとか、ジョンカーペンター好きには今の若い人と感想が共有出来そうなゾンビものの「学園黙示録」とか、ギャクのセンスが好みの「オカルト学院」とか、気楽に見れば、夏アニメはそんなに悪くはないです。

そのへんはまたツイッターの方で。


ここは話の流れから「宇宙ショー」のソフトのアフィリでも貼っときたいんですが、まだソフト化されてないので「マイマイ新子」DVDを貼っときます。

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