アニメ定点観測

ご無沙汰です。不定期更新と断わっているので来年の「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」まで休んでようかなとか思ったんですが、さすがにそれは、とも思ったので。また散漫につらつらと。

目を惹きやすいスタイリッシュなビジュアルと、演劇的なセリフ回しの組み合わせで、ぱっと見、取っ付きやすかったんでしょう。ソフトは瞬間的に売れるんだろうけど、刺激が強すぎると飽きるのも早いわけで、シャフトは次から次へと新しい実験をし続けなければいけなくなる使命を背負わされてしまったような気がして、一時期の京アニよりも大変だなあ、と思ったりもします。

去年末からの「とらドラ!」あたりからですかね、特に最近はそこそこ安定した良作が続いてるような気がしますが(もちろん例外もありますが)、「大正野球娘。」「青い花」、秋新番の「とある科学の超電磁砲」と来てるので、J.C.STAFFの名前もそろそろ広く知られていくんじゃないでしょうか。

さて、そのJ.C.の秋新番、レールガンですが、原作スピンオフマンガの出来がいいのは以前書きました。
とある科学の超電磁砲 - トボフアンカル・ミニ・メディア(T:M:M)
原作通りに作ればまず外すことはないと思います。現時点で2話まで観ましたが、ほぼ原作通りだと思いました。加えてこまかな脚色はしていますし、メデイアの違いを理解して、割と淡白なマンガ版の要素をより強調させたりしてました。
1話は御坂美琴を王道のヒーローもののパターンにはめ込み、ひたすら美琴の見せ場のみに集中する話。もちろん、黒子や初春や佐天の描写をおろそかにはしてはいませんが、まずは視聴者に受けのいい、美琴のエレクトロマスターとしての見せ場を存分に見せる。ま、つかみですね。

2話は、これもほぼ原作通りの展開だったかと思うんですが、黒子の変態度が原作よりもエスカレートしていたり、美琴、初春、佐天の交流を描いた日常の話だったので、1話でアクションものを期待した視聴者はちょっと拍子抜けしたとは思いますが、まだまだ本筋のレベルアッパー編が始まってませんから、そのためのスタッフ温存かとも考えられます。監督以下スタッフがきちんと戦力の配分を考えていればの話ですが。余談ですが、黒子がギャグメーカーとしてひたすら弾けてましたが、寮監役の生天目仁美が地味ながら、締まった芝居で2話全体にアクセントを付けていたのが個人的には良かったですね。

とある科学の超電磁砲」とあるのに、何故美琴の主人公としての内面が描かれないのか、ちょっとだけ言っとくと、原作通りなら、レベルアッパー編に入れば、佐天が真の主役になります。伏線はもう1話の中に出てきてます。言うなれば美琴と佐天の関係は、ヒーローと少年(少女)の関係です。少年(少女)はヒーローに出会っていくことで成長していきます。別の具体例を挙げれば、強引ですが「キングゲイナー」のゲインとゲイナーの関係に似てなくもありません。

美琴に関しては、大元の原作である「とある魔術の禁書目録」で描かれるからなんですね。「禁書目録」の主人公、上条さんがさり気なく出てくるあたりもどこまで美琴との関係に踏み込むのかまだわからないところですが、「超電磁砲」の原作の方では、3巻、レベルアッパー編が終わった後、美琴に関わる話が示唆されるので、4巻からちょっと変わった展開になるかもしれませんし、アニメ版がそこまでやるのかどうかもわかりません。1クールの尺だったらレベルアッパー編のみで充分のような気がしますし。

黒子についても、原作3巻の最後で過去話が短編で描かれているのでそれを読むと、黒子の印象がだいぶ変わって見えてくるはずです。

とにかく、2話でテンション下がったからといって視聴を止めてしまうのは、まだもったいないな、と思いますね。