仮説:「キャラ」の一貫性と一貫性を無視したがゆえに作画崩壊と非難する最近の風潮

ちょっと前ならうつのみや作画、最近、記憶に新しいところでは「グレンラガン」の騒動。まあ、客観的に言えるほどまあ、気になる程度でしかないんだけど、最近の風潮としてたぶん若い世代に顕著だと思うんだけど(もちろん若い人全部そう感じてるわけではないだろうが)、「キャラ」の人格、それを表現するための演出、脚本、果てはキャラ表に忠実であること、それらの要素を満てないと、言わば脊髄反射的にスタッフを非難する傾向が最近になってますます顕著になってきたような気がするのだが、一般的な言い方をすればだんだん人間関係のコミュニケーションが苦痛になってきて、相手に深く入り込むと関係がこじれたり、お互い傷ついたりするから、ある程度距離を取ったりして、ある「パターン」認識=難しくいうと「パターンレコグニション」そんな傾向があるような気がする。

まあ、一般的な話はこれくらいにして、アニメの話に戻るけれど、そういう傾向が、アニメキャラにも影響してるんじゃないかと思う。おまけにパターンとしての「キャラ」が確立してるんなら、共通言語になるからコミュニケーションツールにも役立つ。そうすると、みんなで盛り上がることができる。自分の心の内面に直面することなく、やり過ごすことができる。そのうち、しっぺがえしがくるかどうかはわからないけれど。

蛇足ながら、昔の話をすれば、コミケなんかで、もちろん特定のキャラに強い思い入れをして、ファンジンなんか作ったり、ファンサークルを作ったりしていたところもあったようだが、あくまで、趣味の範囲内でありお遊び程度レベルだったような気がする。創作系の方で言えば当時から病んでいたような気がするけどね。

最後に自分はどうだったかというと、キャラにはあんまり興味がなかったような覚えがある。つまり、当時(70年代〜80年代)というのはマンガ、アニメ表現の進化のスピードが激しくて、かつ刺激的でそっちのほうが魅力的だったからなんですね。暴論を言えば、回によって作画のテイストが違う、という時代は終わったのかもしれない。かつては制作体制が未熟だったために、たまに上手いスタッフが手がけると相対的にその回が光って見えた、ということなのかもしれない。

またついでに、売れるアニメの条件として上手く「祭り」を起こせるかどうなのか、という点も気になっているのだが、それはまたの機会に。

パターン・レコグニション
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