「タビと道づれ」Program32「ツキコさんと道づれ」(月刊コミックブレイド10月号)
非モテのニシムラさんよくがんばった。つーことで、雑誌連載時のネタバレ、単行本以上のルール違反をやってしまおうと思うのだが、「タビと道づれ」ファンの人でネタバレを避けたい人は今すぐこのページを閉じなさい。よく知らない人にはわからないようにここまでの展開に至る経緯は説明しない。
ツキコ「私の…本当の下の名前…どうして…」
ニシムラ「知ってるさ」ニシムラ「だって、僕は君を、10年以上ストーキングしてきたんだからっ」
ニシムラ「君は最低な人間なんかじゃない! 本当に最低な人間っていうのは僕のことだよ!」
(ツキコ)私は自分の椅子を欲しがってばかりで、誰かの椅子になりたいと思ったことがあったかしら?
ニシムラ「10歳も年下の君の存在に救われて、その想いを10年以上もひきずって、この年まで年齢=彼女いない歴で今もこうして、どさくさに紛れて君の肩を抱いている最低の男なんだ」
「だから、いつでも使い捨てOK! いつかヨウコちゃんが本当に欲しいと思う椅子(あいて)が現れるまで…」
(ツキコ)それは、私が私を座らせるための
(ツキコ)私の中につくる椅子
ニシムラ「僕をヨウコちゃんの椅子に―…」
(ツキコ)この手で
ツキコ、ニシムラを平手打ち。
ツキコ「そういうこと…冗談でも言わないでください」
「片想いとか、ストーカーとか…正直ひきます。全然嬉しくないです」
「気持ち悪いですよ?」
ニシムラ「…全然効かないや」
「だって僕は…ユキタ君曰く、Mだから!」
ここは笑い所なのか感動してよいのやら、というw
(ツキコ)それは、私が私を赦すための
(ツキコ)私を必要としてくれる椅子
ツキコ自身の事情は、「タビ」風のイメージでひと言で言えば、要するに「皆既日食」だよね、に尽きるんだが。
「ツキコの事情」の合間に挟まれる、コウイチと幼少のタビとのやりとりの中での、タビの発想。
「それでさかさまにすると空が地面になるでしょう? そしたら地面になった空にガリガリって、さっき、わたしを「タビ」にしてくれたみたいに、お話を描いたんだねえ。だから星座は哀しいお話が多いのかな? きっと、哀しい気持ちを空に預けちゃうんだね」
「それじゃあ、哀しい星座のお話も、空からさかさまにしたら、楽しい終わりにできるかな?」
これはこれでタビらしい発想。しかし、そのやりとりをツキコが下世話な感情で立ち聞きしてしまうのがなんとも。