けいおん!13話 番外編 「冬の日!」

おっさんとしてはキャラに感情移入出来ないんで感想書けないかなあ、とか思ってたんですが、意外に前回の12話の「最終回」よりも今回の方が本当の最終回らしかったのが良かったですね。

キャラの関係性については、他のブログ等で考察されているほどよく観てはいなかったんです。キャラと自分との距離感みたいなもので言うと、唯たちはほとんど孫娘的な位置に近くて(ちなみにさわ子先生くらいでようやく娘的な位置ですよ!(笑))、あの連中がキャーキャー騒いでるのを、うるせーな、少しは楽器の練習しろよ!みたいなツッコミするとか、それくらいの楽しみは観ていてありました。

かつて、「うる星やつら オンリー・ユー」を見た伊丹十三が、「甘い甘いお菓子みたいな映画」と言って、これを金子修介を介して聞いた押井は猛烈に怒ったって話があったけれど、けいおんに対する自分の立ち位置って、この話の伊丹十三とほぼ同じだな、と感じてしまって、否応なく自分が年取ったことを突きつけてくるアニメでもありました。

始まった当初の、バンドアニメとしてはどうなのか、みたいな騒ぎはもうシリーズ終盤くらいでは鳴りをひそめていて、これはどうやら部活(部室)アニメらしいことが分かってきて、部活の種類は何でもよくて、何らかのきっかけで楽しい時間を過ごす登場人物たちの、その空気感を見せるアニメらしいことが分かってくる。その意味では(親が登場しない、ということも含めて)「苺ましまろ」あたりと近いような、昔言われた、定義のはっきりしない「空気系」的なものに近い。京アニ繋がりで言うと最初から比較が予想されていた、ハルヒの文化祭ライブのような気持ちの達成感みたいな方向へも行かない。「最終回」のけいおんキャラによるライブもゆるい。

本当の最終回らしい「番外編」でも、ちょっと距離の離れた彼女たちが、また集まって最後に一回だけ演奏する?(そのことで繋がりの再確認とその決別)こともなく、そんなタイトな話になることもなく、お茶のシーンでみんなで集まって話をしてるだけで終わる。ただ、おっさん的によかったのは、「苺ましまろ」みたいに永遠にそういう時間が続くものとされているわけはなくて、お茶しながら武道館がどうの、とか言っている。たぶん律や澪はこれからマジに音楽やっていくかもしれないが、彼女たちのメンバーそのままでバンド活動をやってはいかないだろう、それぞれの関係性がバラバラになっても、部室あるいは卒業したらそこに変わる場所に集まってまたお茶したりするだろう、でも繋がりが弱くなっていくたびそうやって集まることもしだいに少なくなるだろう、かつての楽しい時間(ふわふわ時間)は永遠には続かない。そんなことを予感(想像)させるような終わり方でした。
若い人はどう感じるかわかりませんが、おっさん的にはそこだけは素直に実感としてわかったし、そういう終わり方にしたのは意外ではありました。