『コンティニュー』Vol.45
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劇場映画「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」の公開に合わせて、まるでNHKの宮崎駿密着取材番組を彷彿とさせるような、長期取材による「京田知己監督70,000字独占ロングインタビュー」が目玉なわけですが、世代の違いなんでしょうか、その物量と、京田監督とインタビュアーの熱い語り合いに今ひとつ入り込めなかったというのが正直なところです。
まあ、映画の方はまだ観てないわけで、観てから読んだ方がいいような気もしないでもないです。観た後に価値の出るインタビューになるといいなあ、と、とりあえず言っておきますが。
早くも6月にソフト化されると発表されていたりもするんですが、そこはあえて待たずに劇場へ行くつもりです。個人的には「再生YMO」を引っ張り出してきたことがどのくらい劇場版に反映されているのか、やっぱりあんまり意味がないのか、たぶん意味がないような気がするんだが一応それを確認したいという充分な動機はありますから。
「再生YMO」の立ち位置、当時の微妙な苦々しい空気は初期YMOから追っかけてたファンでないとなかなか分からないと思います。たぶん後付けの知識があっても分かりにくいと思います。「YMO」自体は今でこそ広く再評価されていますが、93年当時の「再生YMO」における「YMO」にバツをつけて「NOT YMO」と読ませる「ひねくれ」感=かつての「BGM」や「テクノデリック」当時の(「YMO」の)あり方が「宣伝」として取り込まれてしまった残念感は、なかなか伝わらないと思います。「BGM」、「テクノデリック」の個々の楽曲は作られた当時のひねくれ感ねじれ感を知らなくともよく出来ているので(ここに「浮気なぼくら」を加えてもいいですが)まだいいのですが(むしろねじれ方がよりソリッドだったので、未だに「強度」を持っているのかもしれません)、「再生YMO」の「テクノドン」になると楽曲としては悪くはないですが微妙です。「テクノドン」に関しては、まだ「再生YMO」の空気が張り付いているような気がします。でも「再生YMO」の空気が伝わりにくいので、伝わらなければスルーされやすい。
そんな「再生YMO」の微妙さをわざわざ持ち出してきてどうするんだと、真面目に考えたりもしますが、テレビ版の「エウレカ」のあり方からすれば、いやすでにそうなっている、とも思ったりもして、まあ、そこからは劇場版を観てからの話ですよね。
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