久々のアニメ定点観測(2012年2月末現在)

結局、昨年からの2クールの秋新番組もそうだけど、今年1月の新番もまだ途中なので、放映が終了しないと何とも言えないですし、以前から感じているところがありつつまだ煮詰まってないものもありますが、とりあえず箇条書き的に書きましょうか。生存報告の意味も兼ねて。

思いついた順に書きます。

今のところ、あくまで個人的に、好みなのは「モーレツ宇宙海賊」で、一方ではまたつい最近ですが「ブラック★ロックシューター」の2本かな。「男子高校生の日常」もいいんですが、どちらかというと昨年ニコ動でやっていたワンエピソードの先行放送バージョンが良かったかな思いますね、何故かというと、30分枠だと冗長な気がするんで。「森田さんは無口。」と「リコーダーとランドセル」のような3分ちょっとの尺が良かったかな思います。
ブラック★ロックシューター」は原作?は知らないんですが、以前のOVAと違って、脚本が岡田真理さんで、岡田さんは作品によって力の入れよう(手を抜いている作品があるというわけではないんでしょうが)の振れ幅が大きいような気がするんですが(例えば「フラクタル」はシリーズ構成は岡田さんなんですが、岡田色は弱いわけですし。それには理由があって、ヤマカンと東浩紀がケンカしてたのでその間に入って調整役の立場に立たなければならなかったらしいとのこと。また、「アクエリオンEVOL」も岡田さんですが、こちらはギャグで遊んで楽しんでいるようにも見えますし)、「ブラック★ロックシューター」については明らかに岡田真理節が強すぎて、心理描写の比喩としての戦闘パートと日常の二本立てにも関わらず、日常パートだけですでに濃いので、ああ、岡田さんらしいなあ、と思っているんですが、戦闘パートではサンジゲン特技監督で今石さんが頑張っているし、プロジェクト優先だったのかなと感じています。

余談ですが、アニメ評論家の藤津亮太さんが、最近の新聞のコラムでCGアニメ関連で、日本のCGアニメのスタッフは、アニメ系のサンジゲン、特撮系白組、あと会社名は忘れましたがゲーム系に分類されると、指摘されていたのは参考になりました。

それはそれとして、あまりこだわって書いてると切りがないんで巻いていきますが、
昨年からの2クールもので言えば、ダントツで安定してるのが、やっぱり「ちはやふる」でしょうかね。あれは競技かるたという性格もあって、ほとんど「スポーツアニメ」と言っていいんじゃないんでしょうか。「スポーツアニメ」のセオリーが使えるから充分カタルシスを堪能出来る作品だと思います。「ペルソナ4」も安定してますね。これは去年から続く岸監督の職人芸のなせる技だと思いますが。

一方で、安定した「ちはやふる」を除けば、「未来日記」、「ラストエグザイル/銀翼のファム」、「ペルソナ4」あたりの作画が息切れしてきたかな、と多少気になるんですが、序盤で頑張り過ぎたので比較として質が落ちたように見えるだけで、話自体安定してるので、若い人は不満があるかもしれませんが、個人的にはあまり気になりません。ただ、「銀翼のファム」については、前作のときには世界観重視で批判された過去があったわけで、その反省か、今の流行に合わせたのか、ほとんどのキャラが女の子中心で、商売的には仕方がないのかとも思いますが、設定面の壮大さと、ドラマの中心が女の子達の部分であることで、あまりかみ合ってない感じもします。「銀翼のファム」については、商売上の理由の他に、前作で一応男の子が主人公であったのに、今回はすっかり脱落し、女の子になったことについてはまた別のエントリーで書くつもりです。ちなみに、ほとんど観てない「ギルティクラウン」と「アクエリオンEVOL」とも絡めて語ろうと思います。疑問点だけで、答えは出ないと思いますが。

やっぱり長くなってきましたね。出来るだけ巻きます。
あとはなんでしたっけ、「パパの言うことを聞きなさい!」。まあ三姉妹の両親がいきなり死んだり、何にも考えずに主人公の大学生が引き取ると勢いで言ってしまって、同居することになるわけですが、原作がラノベだからラノベ的な緩さでどうシビアさとか、リアリティをごまかすだろうかと思うんですが。サブタイトルが昔のホームドラマのタイトルから取ってるみたいですけど、あまり意味がないような。要は基本はラノベなので、往年のホームドラマのパターンをラノベ的なソフトさでどう処理するのかなあ、というのがまあ、みどころかな。

戦姫絶唱シンフォギア」と「ミルキィホームズ」の2幕。どちらも狂ってますね(笑)。
ミルキィホームズ」は前作を超えなきゃいけない条件があるのか、とにかくカオス増しと過剰なテンションで押しまくっていて、ちゃんとした話がないんですが、まあ「ミルキィホームズ」らしいかな。ただし、ミルキィは意図的でやってるんじゃないかなあ。それに比べて「戦姫絶唱シンフォギア」は一言で言えば、天然で、とにかくまともな構成なしにやりたいこと、受けてるものをただ詰め込んでる。しかもそれらの要素が上手く繋がってない(笑)。言ってみればプロの同人アニメだなあ、という感じです。当初はバカアニメとして突っ込んで楽しめるかなと思ってたんですが、突っ込んだそばからその突っ込みの意味がなくなるような、こちらの予想してなかった展開になるために、逆に疲れます。まあ人によっては楽しめるのかもしれませんが。

それから「偽物語」「あの夏で待ってる」「妖狐×僕SS」については流し観です。

やっぱり長くなりましたので、いったんここで切りますが、
二つ、同じ佐藤竜雄総監督「モーレツ宇宙海賊」と「輪廻のラグランジェ」については次回に回しますが、地に足付いたSFの面白さ重視と、後者のビジュアルの快楽優先との違いについて後に語りたいと思います(昔からそうだけど、SFは理屈の面白さとビジュアルの快楽との二つの要素のバランスの取り方が難しい点)。

上記で触れましたが、「ギルティクラウン」を中心とした、ヘタレの男の子の主人公の今後の行き場、さらに女の子も、特にサブじゃなくて、メインの主人公がヘタレになってきているような印象がしているんですけど、それについてもなかなか答えが出ないと思いますが、いつか書こうと思います。

そんなわけで、こんなところですか。