第25話『氷の中で』(2003/03/15放送)

ラスト2話なので一気に2話分行きます。まずは25話。

脚本/大河内一楼
コンテ/西澤晋・斧谷稔
演出/宮地昌幸
作監/しんぼたくろう・高瀬健一

■ゲイナー・サンガの前回のあらすじ。
「キッズ・ムントにまつわるオーバーマンと対決するためには、まともにやってもだめだと感じた。自分を限界まで追い込んで、その中から勝つ手段を見つけるしかないと思った。それで、ゲームの中で自分を追い込んでいったら、あいつはそこまで入り込んできた。そして、キングゲイナーは、それを突破するスキルを見せてくれた」
キングゲイナーVSオーバーデビル。
それを見るサラ・コダマ。
サラ「愛してるよ、愛してるから。愛してるよ、愛してるから」
ゲイナー「目を覚ましてくれシンシア! まだ君の全部が氷の悪魔に負けたわけじゃない!」
■ゲインはアスハムのドミネーターと対戦中。
アスハム「私のオーバーデビルが…」
ゲイン「あのな、アスハム。貴様の相手はこの俺だろう!」
キングゲイナーはチェンガンの一つをポシェットにしまい、オーバーデビルの背中の光輪をつかんで背負い投げをする。
このときに入る、ガウリ、アデット、サラ、三人の角が丸いカットインが珍しい。
■ゲイナーはキングゲイナーから降りて、仰向けに倒れたオーバーデビルのコックピットに向い、前回ゲインの攻撃で開いたすきまからシンシアを助けようとする。
ゲイナー「シンシア、僕だよ、ゲイナーだ。さっさとこんなところからはエクソダスしよう」
シンシア「…痛かったんだから…」
ゲイナー「ご、ごめんよ」
シンシア「氷の柱は…た、たいしてクッションにはなってくれなかったし、ゲイナ−は殴ったでしょ。いっぱい、殴ったでしょ」
ゲイナー「オーバーデビルは…」
と、オーバーデビルはコックピットにゲイナーを取り込んでしまう。そればかりか、キングゲイナーまでをも取り込む。
■アデット「ゲイン、キングゲイナーが食われたぞ」
アナ姫「食べちゃった!?」
ベロー「食った!?」
ゲイン「食われたんじゃない。より強いオーバーセンスを持つゲイナーを、取り込んだんだ。アスハム、貴様も見ろ、オーバーデビルを!」
アスハム「私に断わりもなく、そんなことをするのか!」
■オーバーデビルが立ち上がる。
アデット「サラ、どこに行くの! 待ちなさい!」
アデット隊「隊長! おいてかないでください〜」
サラはパンサーでオーバーデビルに向っていく。
サラ「ゲイナー、ゲイナー、出てらっしゃい、そんな奴の中から! ゲイナ−、あたしが呼んでるのよ!」
オーバーデビルの三つ目の真ん中がキングゲイナーの顔になる。
サラ「氷の悪魔とかいうの、ゲイナーを吐き出しなさいよ!」
アデット隊のドーベッグが主砲を撃つ。
すると、オーバーデビルはブリザードを放ってくる。
それは、シルエットマシンやオーバーマンに起動干渉を起こさせ、動けなくさせる。
アデットの機体も、サラの機体も動けない。アスハムのドミネーターも滅茶苦茶に変化し、コントロールが効かない。しかし、
ゲイン「さすがブリュンヒルデの腕は動いてくれる…ならいけるはずだ!」
オーバーデビルへと向うゲインのエンペランザ。
■ブリザードを放ちながら迫ってくるオーバーデビル。
ガウリ「こいつをどうすりゃ…」
アデット「いいんだよ!」
サラ「ゲイン、手伝いなさい!」
ゲイン「そのつもりだ!」
ゲイン、オーバーデビルのコックピットにライフルの狙いを定めて、
ゲイン「そこを撃つしかないのか、ゲイナー…何!?」
■オーバーデビルはゲインを無視して飛び、チェルノボーグに取り付き、無数の触手を伸ばしてコントロールしようとする。そればかりか、「ヤーパンの天井」のユニットまでも手中に収めようとする。
■パンサーや、ドーベッグから転げ落ちたサラ、アデット、ガウリの三人は、ゲインのエンペランザの重力を操るオーバースキルによってエンペランザの手まで持ち上げられ、「ヤーパンの天井」まで運ばれる。
■ペルファ、ガッハ、シトランの三人の五賢人はパンサーに乗って外に出て、手の空いてるピープルたちにフォトンマット砲の準備を手伝えと呼び掛ける。
■ガウリ、アデット、サラの三人はエンペランザからチェルノボーグに降ろされる。
ペルファ「ブリザードに閉じ込められて、あやつのいいなりに連れていかれるなどごめんこうむる」
ゲイン「いや、ヤツが『ヤーパンの天井』とチェルノボーグに気を取られている隙に、キングゲイナーを取り戻します」
シトラン「わたくしどもを悪魔の結界から逃げられるようにするのが、請負人の仕事でおじゃろう?」
五賢人たちの乗るパンサーにはアナ姫も乗っていて、コックピットから顔を出し、
アナ姫「おだまりなさい。ピープルを守るために、キングゲイナ−を取り戻すことが先のはずです。
(パンサーのコックピットには五賢人のマンマンがいて、アナ姫は彼の上に肩車している。当然リンクスもいる)『エクソダス』には犠牲がつきものだと言いながら、あなた方御自身は何もなさろうとしないのですね。ミイヤの唱えた『エクソダス』というのは、『自らが動きだそう』という主張のはずです。(この異常事態のなか、「ヤーパンの天井」に辿り着いたミイヤとマネージャーのルブルのカットが入る)逃げ出すためのものではなかったはずなのです。それなのに。私もチェルノボーグに移動します。ゲイン殿」
ゲイン「は、はい姫様」
アナ姫はエンペランザに移り、
アナ姫「世界を変えてきたのは、いつも若い力であったということは忘れないでください」
■コールドゲイナー「姫様のおっしゃる通り」
五賢人たちのパンサーの後ろ、オーバーデビルから伸びた振り子のような椅子に座ったオーバーデビルに取り込まれたコールドゲイナーが登場。
ペルファ「…ゲイナー君?」
コールドゲイナー「年老いただけで、自分たちを五賢人だと言える神経には、呆れ果てておりますよ」
アナ姫「ゲイナー?」
コールドゲイナー「まったくあなたたちにはねえ…。忍者を使って僕の両親を殺したのは、(五賢人たちを指差し)あなたとあなたとあなたとあなた」
アナ姫「あなたはゲイナーに頼まれたんですか!?」
コールドゲイナー「僕は本物のキングゲイナーですよ。ほら」
アデット「ゲイナー!」
サラ「しっかりして!」
コールドゲイナー「お前らが欲しいのは、キングゲイナーだけなんだろ!」
サラ「違うわよ!」
ゲイン「本気で言ってるのか!?」
アデット「そんな情けない男に育てた覚えはないよ!」
アナ姫「それでは、ウルグスクに引きこもっていたあなたと同じ…」
コールドゲイナー「うるさいんだよ、子供のくせに」
サラ「ゲイナー、なんてことを…」
コールドゲイナー「サラ…君が一番僕を使うのが上手だったよね。僕の気持ちを知っていて、いつも期待を持たせるように振る舞った…」
サラ「ちょっ…違う! あたしは!」
コールドゲイナー「最初は鼻にも引っ掛けなかったくせに!」
サラ「…!」
コールドゲイナー「…僕には『エクソダス』なんてない…世界をカチンカチンに凍らせてやる…」
■コールドゲイナーに向ってガウリのヤーパン忍者が走る!
ガウリ「目を覚ませゲイナー君! ヤーパン忍法、忍び固め!…うおおっ」
あっさりオーバーデビルに捕まるヤーパン忍者。
コールドシンシアもコールドゲイナーと同じような椅子に座って、コールドシンシア「ゲイナー、こいつは(ガウリは)どうしたらいい?父母殺しのやつなんか、許せないよね」
コールドゲイナー「そりゃ人道的にもね」
サラ「はっ、シンシア、それはやめて。やめなさい!」
コールドシンシア「ハーイ!」
ガウリ、氷づけにされる。
サラ「!…シンシア…あなたって人は! やめてよゲイナー!」
ゲイン「悪魔め!」
ゲイン、撃つ。
コールドゲイナー「ゲインの弾だって、僕らには通用しないよ」
サラ「あたしは…あたしは…」
コールドゲイナー「わたしは? どうするのかな?」
サラ「あたしはあなたに…ううっ…」
■そのとき、セント・レーガンの列車が「ヤーパンの天井」を攻撃してくる。 
コールドゲイナー「セント・レーガンか。そうか。このあたりで、モンゴル方面の路線と合流するのを忘れていた」
アイキャッチ
■セント・レーガンの攻撃に、チェルノボーグが応戦する。
コールドシンシア「ねえ、面白いことが始まったよゲイナー。行こうよ」
コールドゲイナー「オーバーデビルは、リマンメガロポリスに戻りたがっている。ヤーパンどものユニットのエナジーを吸い上げるためにもね」
コールドシンシア「ああ、そうなんだ、お前」
■ゲインはリュボフをアナ姫のいるチェルノボーグへと運ぶ。
エンペランザの手からチェルノボーグのハッチに飛び移ったリュボフをママドゥが受けとめる。
■バッハクロンブリッジ。
タン「コントロールをあいつに握られてるみたいだ。シッタ、エンジンは切れないのか?」
シッタ「駄目だ。マッスルエンジンが、独自活性化してやがる!」
マルチナ「ああ…あやつをリマンに行かせてはならん」
タン「え? ああ…あ、あいつをリマンメガロポリスに行かせちゃいけないって…」
ペルファら五賢人たちがブリッジに入って来ている。
ペルファ「何故です?」
マルチナ「世界中を一瞬に凍らせるシステムがリマンにある。
で、キングゲイナーとやらを取り込んだために、あやつ、ヤーパンの全てを餌食にするつもりだねえ」
■ゴレームがセント・レーガンの列車から発進している。
サラ「オーバーデビルは、ゴレームと戦うつもり?」
アデット「セント・レーガンの列車は、戻ってくるぞ」
サラ「ゲイナーと、シンシアは?」
アデット「なんです? 姫様。…マルチナが言ったんですか?」
(アデットとサラはチェルノボーグの屋根に、アナ姫たちは中にいる)
アナ姫「そうです。シベ鉄のレールは全て特別なマッスルエンジンなんですって。オーバーデビルの力を世界中に広げるためにキッズは…」
チェルノボーグに衝撃。
アナ姫「そのレールをどこのドームポリスにも売りつけていたんです」
コナ「じゃあ、オーバーデビルが線路を使って、オーバーフリーズをかけたりしたら…」
アナ姫「そりゃ、世界中のドームポリスや畑が、オーバーフリーズしましょう?」
ナン「でもさ、レールがエネルギー伝導体になるっていったってねえ…キッズムントならやるかな…」
ママドゥ「だから奴は、リマンメガロポリスに向っているんだ」
ママドゥはリュボフを抱きかかえている。
リュボフ「マ、マルチナのおばあさまが…」
ママドゥ「列車を止めれば、オーバーデビルも止まりましょう」
べロー「キングゲイナーはいない。ゲインだって…」
コナ「戦いようがないんだ」
アデット(サラに)「あのな、走るしかないだろう! サラ!」
サラ「だ、だって…ゲイナ−君が…」
アデット「そういうことを考えるのは、あとだ」
サラ「…アデット先生?…」
■セント・レーガンのゴレームがオーバーデビルを攻撃するが、氷づけにされていく。
氷づけになったゴレームの一体が、セント・レーガンの列車のところまで吹っ飛ばされて粉々になり、飛び散った氷が列車の装甲を突き破る。
列車の中では、氷の破片が、アスハムの妹のカリンの目の前で隊員の一人を押しつぶす。
カリン『!…こんなこと…こんなことは覚悟して戦場に来たはずよ、カリン。私は、いつまでも待ってる女ではないと、決心した!』
■サラ「できますよ」
アデット「無理だよ。あんたはみんなと一緒に、この列車を止めるんだ」
アデット、サラをチェルノボーグの中に押し込む。
■コールドゲイナー「ああ、ガウリさん。僕ら細かいことわからなくなりましたから、お任せしますよ。それでいいね、シンシア」
コールドシンシア「ゲイナ−は賢いね」
コールドゲイナー「ハハハハ。そう言ってくれるのは、シンシアだけだ」
コールドシンシア「ゲイナ−も、私に気を使ってくれるよ」
■アデット「隊長?」
チェルノボーグの屋根の上、
アデットの前にオーバーデビルに取り込まれたコールドガウリが立ちはだかる。
コールドガウリ「デビル忍法乱れ吹雪!」
アデット「なんだってんです!」
コールドガウリ「我肉体をフィルターにして、オーバーデビルの意志を伝える!」
アデット「ガウリ! 氷の悪魔の手先に成り下がって、あたしって女を忘れたのかい?」
コールドガウリ「オーバーフリーズすれば男も女もない!」
アデット「マルチナは女だと分かる!」
コールドガウリ「…マルチナ・レーン…」
アデット「ガウリ! やめてくれないと本当に撃つぞ!」
しかし、アデットは風に流されたエンゲの帽子が拳銃の銃口を塞いだので発砲してしまう。
コールドガウリ「アデットォォォォ!」
アデットの前の破れた装甲の穴からケジナンとエンゲが顔を出す。
ケジナン「姐さん、ゲイナー様とシンシア様に逆らうんでしたら、今度こそただじゃおきませんぜ」
アデット「あたしの拳銃がキサマの頭をぶち抜いてやる」
■だがアデットはアスハムのドミネーターに捕まり、逆さ吊りになる。アデットはそのままの姿勢でドミネーターに向って発砲。
アデット「なんだああ〜!?…うっ…上等じゃないかっ」
エンゲ「や、やるう」
ケジナン「無理だって。相手はオーバーマンを、オーバーしてんだから」
■逆さ吊りのアデットをゲインが救う。
ゲイン「哀れだな! 利用するつもりだったオーバーデビルに、使われているとはな!」
アスハム「逃げ回るだけのお前に、言われたくはない!」
■チェルノボーグの車内で、絡み付いたオーバーデビルの触手というかコードのようなものを排除していく、ママドゥやベロー、コナたち。
サラはボーっとして動かない。リュボフがサラに近づき、
リュボフ「…お疲れ?」
サラ「あいつのこと…あたし一番よく分かってると思ってた。なのに、あいつのそばに行けないし、会ったって…なんにも言えない…言葉が見つからないのよ。情けないよ、あたし…」
リュボフ「なに言ってるんです。まだすぐそばにいるじゃありませんか。
そしてここに、サラさんがいる。この距離ならまだ充分に、愛は感じられます!」
ママドゥ「…ん?」
ナン「愛を?」
ベロー「感じられる?」
コナ「は〜?」
トゥン「先頭車両へ…」
リュボフ「相手から拒まれようと避けられようと、愛の確信があるのなら、雨のようにブリザードのように与えるのが、愛というものです。オーバーフリーズしたゲイナーにだって、無償の愛情なら伝わりますよ。そのサラの愛なら、氷だって溶かしちゃいます!愛の力って、そういうものでしょう!? サラ!」
サラ「うわあああああ…」
号泣するサラ。
■アスハム「貴様が私のそばにいれば、あんなバケモノに頼らずにすんだのだ!」
ゲイン「俺だって志はある!」
アスハム「逃げることがか!」
アスハムのドミネーターはゲインのエンペランザのライフルを叩き落とし、落下したそれはセント・レーガンの列車にぶつかって列車を脱線させる。
■コールドシンシア「もうお終いだよ。つまんないね、ゲイナー」
コールドゲイナー「そうだけど、オーバーデビルは任務に向いたがっている」
コールドシンシア「美しいものが好きなんだ」
コールドゲイナー「そう。清潔なのがいいんだ」
■コールドガウリ「デビル忍法氷分身!」
コールドガウリはケジナンらとアデットに人型の氷分身を放ってくる。
コールドガウリ「観念しろ!」
アデットは氷分身に押し倒され、動けない。そこを上から刀を構えたコールドガウリが迫る。
コールドガウリ「天国へ行けェェェッ!」
刀を氷ごとアデットに突き刺すコールドガウリ。しかし!
アデット「女教師忍法! 縄抜けの術!!」
ボンテージのアデットが宙返りしてコールドガウリの前に着地。さらに!
アデット「ガウリ! しっかりしな!」
ガウリにキス!
ガウリのフリーズが溶ける。
アデット「こんないい女、忘れるわけないやね…」
■チェルノボーグの先頭車両の動力部(?)に辿り着いたベローたち。
トゥン「フル稼動してる」
アナ姫「これをどうするんです?」
べロー「こいつを臨界突破させたら、オーバーデビルごとドカンと出来るんですか?」
ママドゥ「出来る。遊んでるプラグを全て繋いでくれ」
サラ「はい」
ママドゥ「ナンもコナもトゥンもな!」
リュボフ「私にも出来ます!」
コナ「そりゃ出来る。プラグの色を合わせりゃいいんだから」
■プラグを繋いでいくサラ。
サラ「待っててゲイナ−。今度は私が、あなたを助けてあげる。そしたら、私たち…」
が、サラの前にコールドゲイナーが現われる。
コールドゲイナー「サラ、遅かったな。もっといい顔をしなよサラ。サラは美人さんなんだから。凍っちまったら表情は変えられないよ。さあ、顔をちゃんと見せてごらん」
■アスハム「二人でやっていれば、なんとか!」
ゲイン「腐りきったロンドンでいくら出世したって、何も変わりはしない!」
アスハム「二人でやれば、できたはずだ!」
ゲイン「甘いんだよ! それが! 終わりにするぞ!」
アスハム「…終わり!?」
ゲインのエンペランザはアスハムのドミネーターを抱きかかえ、ブラックホールを発生させる。
アスハム「ふざけるなああっ! こんなことでぇぇっ!…オーバーデビルとて、隙を見て必ずっ…くっ、カリン!」
ゲイン「エンペランザ!」
アスハム「シャルレ・フェリーベ!(ゲインの本名)」
■チェルノボーグのエンジン(?)が光る。
ママドゥ「おおっ…これは…」
アナ姫「フォトンマットではありませんよね?」
ママドゥ「なんだ!?」
アナ姫「天井に!」
上から圧力がかかったように天井がひしゃげる。
■サラ「…!?」
コールドゲイナー「いやな光だ。ほら」
コールドゲイナー、光に反応してよそ見をしているサラを自分に向き直させる。
コナたちの声が聞こえる。

コナ「何の光なんだよ」
ナン「外から光ったんじゃないの?」
ベロー「ホワイトホールの光とかさ」
トゥン「そんなのあるわけないでしょ」
リュボフ「ママドゥさん。あなたーっ」

サラ「けど、今はみんなであなたを信じて、戦ってるのよ。キングゲイナーはゲイナー君そのものだって信じて、みんなで応援してた。なのに、なんで、こうも簡単に、オーバーデビルに取り込まれて…」
コールドシンシア「うるさい女だね」
サラ「!…シ、シンシア…」
コールドシンシア「アスハムがやられた。
ゲインはホワイトホールもどきでこの列車に戻ったよ。どうする?」
コールドゲイナー「どうする?」
コールドシンシア「サラには他にボーイフレンドがいっぱいいるよね。一人ぐらいは私にくれてもいいじゃないか…」
サラ「ゲイナ−は一人よ! 他の誰かさんとは、比べられないでしょ。ゲイナ−」
コールドゲイナー「そりゃそうだ。サラ」
サラ、コールドゲイナーにキスをする。
サラ「…ゲイナ−?」
コールドゲイナー「生暖かい唇っていうのは、気持ちが悪いものだな」
サラ「ゲイナー!?」
コールドゲイナー「サラの唇だって、もう寒さで紫色になっているのが、
僕にはよく見える。だから…」
サラ「い…いや…いやあああっ」
コールドゲイナー、無理矢理サラの顔をつかみ、口を空けさせて、そこに自分の口から冷気を注入する。
サラ「…氷になっちゃう…」
サラの涙も凍っていく。