第10話 『アスハムの執念』(2002/11/09放送)

脚本/野村祐一
コンテ/斧谷 稔・北村真咲
演出/五十嵐達也
作監大森英敏

■ゲイナー・サンガの前回のあらすじ。簡潔にまとまってる。
「アデット先生のつまみ食い事件のおかげで、シベリア鉄道を襲うようなことに
なるなんて、誰が想像したろう。あげくに、仏像オーバーマン三体の出現に、僕は
戦うしかなかった。けれど、クラスメイトに僕の存在を認めさせることが出来たのは、
うれしいことは、うれしかった」
■物資調達に出かけたゲインとゲイナーだが、物資の値が高いために、
ゲインは交易地の賭け試合に出場して、お金を稼ぐことに。
ゲインは「ブカレス・ゴンザレス」、ゲイナーは女装して「キャサリン」名で
シベ鉄に対してカモフラージュしている。
■サラとガウリ隊長はシベ鉄の線路沿いで待機。サラがゲイナーと通信している横で、
ガウリ隊長がすでに何か準備体操、ヨガらしきものをしている。
■賭け試合の客席にはシベ鉄の私服警官の姿が。
ゲイナーの横にジャボリがいて、ゲイナーの正体はバレている。
そして、ゲインの次の対戦者は「アスアスア・ムーン」という名のアスハム・ブーン。
■アスハム「この試合には、お前の体を賭けてもらう。勝てば逃がしてやる」
ゲイン「もし、俺が負けたら?」
アスハム「ロンドンに連れ帰って…その舌を引っこ抜いてやる!」
ゲイン「怖いな」
■しかし、試合はアスハムの圧勝。ゲインは負けてしまう。
ゲイナーは試合に気を取られているジャボリの顔にバッグをぶつけて、
メガネ、メガネ、とジャボリがメガネを気にするスキに逃げる。
■勝負はついているのにゲインに突っかかるアスハム。
ザッキに止められる。
アスハム「気を抜くな! こいつは、ノロマな毛長ゾウ以下なんだ!」
ゲイン「お前の気晴らしにつき合うのも、痛いことは痛いんだぞ…」
ゲインはそのまま倒れてしまう。
■ジャボリはザッキに対して、ゲイナーを取り逃がした失態を取り繕うとして必死。
そのゲイナーはリングの下に隠れ、スヴァロギッチに収容されていくゲインを見て、
ゲイナー「ゲイン、あんたには借りがあるんだから、行ってもらっちゃ困る」
■ゲイナーに列車が来たことを知らせるサラ。
その横で謎の衣装に着替えているガウリ隊長。
ガウリ「シベ鉄、いや、セント・レーガンが動いて、ゲイナーの動きが取れないのだ。
ということは、私のテリトリーの仕事が始まったということだ」
決めるガウリ隊長。そしてサラが振り向いた時にはもういない。
あんた何やる気だ。
■スヴァロギッチ内。ゲインは頭に鉄仮面をかぶせられ、それに鎖が繋がっている。
アスハム「仮面の下じゃ、唾も吐けんな」
ゲイン「見直したよ…ここまでやる外道になっていたとは…うっ」
ゲイン、アスハムに腹を蹴られる。
アスハム「その口が利けるのもいまのうちだ。
その鉄仮面が冷えきったら、皮膚と貼り付いて、頭全部が凍傷にかかるぞ」
■ゲイナー「今あいつと別れたら、俺は一生かかっても返せないほどの借りを作ることになる」
街中のゴミ箱のなかに隠れていたゲイナーだが、出てきたところをシベ鉄隊員に見つかってしまう。
■そのゲイナーのピンチをエセ忍者姿のガウリ隊長が救う。
ガウリ「忍法、摺り足の術を使ってみた」
ゲイナー「ガウリさん!」
瞬間、ゲイナーは別のシベ鉄隊員に狙われるが、ガウリ隊長が電光石火のごとく、
敵を倒す。
ガウリ「見たかゲイナー、俺、十手返しが使えたんだ」
ゲイナー「じゅ、銃弾を跳ね返したやつですよね」
■ゲインの乗ったスヴァロギッチが発車して、ゲイナーはそれを追おうとするが、
ガウリ隊長に止められる。
ガウリ「請負人のことは諦めろ」
ゲイナー「なに!?」
ガウリ「セント・レーガンがこの地を離れてくれるなら、我々にとっては御の字だ」
ゲイナー「ガウリさん!」
ガウリ「君を敵の手に渡すわけにはいかないんだ。我々は君を必要としているのだからな」
ゲイナー「僕は一人で戦ってきたんじゃありません」
ガウリ「わからんのか! キングゲイナーを手足と出来るのはお前だけだ」
ゲイナー「それがあんたたちヤーパンの本音なんだ! 『エクソダス』の為なら、なんでも犠牲にする!なんで主義者だけでやらないで、他所者まで引きずり込むんです。(爆発音)サラが待機している方だ」
ガウリ「わかった、請負人は私がなんとかしよう」
あんたら、そんなかっこでする会話じゃないだろ。
■サラのシルエット・マシンがアンダーゴレームに攻撃されている。
サラはベローを呼ぶが応答しない。しかたなく、サラはキングゲイナーに乗り込む。
サラ「ゲイナーに出来るんだから、あたしにだって!」
■しかし、上昇をかけてみたものの、キングゲイナーはうまく動いてくれない。
エンゲ「にぃ〜ぶいなあ! そんなこっちゃシベリア鉄道にも入れんぞ!」
サラ「ど、どう戦えばいいの、ゲイナー!」
アイキャッチ
■飛ぶ手裏剣。ドゴッゾ乗員を直撃!
ガウリ「これが八方手裏剣の恐さだ! 忍法火炎車では、肝を冷やすなあああっ!」
ドゴッゾの砲台を改造した(?)「火炎車」がガウリ隊長を乗せてレールを走る!
ガウリ「これぞ、ヤーパン忍法火炎車あああああっ!
見たか、セント・レーガンの列車ああああっ!」
キングゲイナーをうまく扱えないまま、サラはエンゲのアンダーゴレームと戦う。
地面に叩き落とされ、エンゲ機が迫る。
サラ「ミイヤ様、お助けください!」
それをゲイナーが乗ったガチコが救う。
■ゲイナー「動かすのはいいけど、戦闘は無茶だ」
サラ「あなたの女装の方が無茶じゃないの?」
ゲイナーとサラ、二人の乗ったキングゲイナーはジャボリとケジナンのアンダーゴレームを見つける。
■ガウリ「ぬっはっはっはっ、追いついたぞ!」
「火炎車」はスヴァロギッチの後部車両に激突、ガウリ隊長はひらりと空を飛び、列車の屋根に。
■ガウリ隊長はゲインの捕まっている車両へ。見張りのシベ鉄隊員を外に突き落とす。
ゲイン「さすがヤーパン忍法」
ガウリ「すまなかったな、ちょっと時間がかかってしまった」
キングゲイナーはアンダーゴレーム三体のフォーメーション攻撃に手を焼いている。
しかし、ゲイナーはまずエンゲ機を倒す。その手際の良さにサラは驚く。
■ガウリはゲインの手錠を外す。しかし、鉄仮面は外せない。
ゲイン「これは外せないのか」
ガウリ「いまのガードマン、叩き出しちまったぞ」
ゲイン、ガウリの背中から、武器を取る。
ゲイン「借りるぞ。ショットガンかい?」
ガウリ「忍者のフェイバリットだよ」
ガウリ隊長は信号弾を撃つ。そして、
ガウリ「これもただの信号銃じゃないんだ」
ゲイン「そう思うよ」
■ゲイナーとサラはガウリ隊長が撃った信号弾の光で列車の位置を知る。
キングゲイナーを追うジャボリとケジナン。
ジャボリ「列車には近づけるなって命令でしょ!」
ケジナン「ジャボリ! いいかげんでロンドン野郎にシッポ振るのはやめないか!」
ジャボリ「ヤッサバがいなくなったあとの隊のことを考えてやってんだよ!」
■ジャボリ機の放ったアンダースティックがケジナン機に当たってしまい、
動きが止まったケジナン機をキングゲイナーが撃墜。
■アスハム「警備隊の連中に、アンダーゴレームを預けても意味がなかったな」
ザッキ「ジャボリはいい子なんで。ぬいぐるみでは上手に遊ぶんですが」
キングゲイナー、スヴァロギッチに追いつく。
サラ「どうするつもりなの?」
ゲイナー「こっちに乗り込めないなら、車両ごと持ち帰るさ」
■ゲイナー、チェンソーで車両を切り離そうとする。
ジャボリ「列車に手をつけてえええっ!」
そのゲイナーとジャボリの間をゴレームのリング手裏剣(?)が切り裂く。
■リングを放ったゴレームにはアスハムが乗っている。
アスハム「ヤーパンの愚民どもが、なんで私の乗る列車に対して、反逆行為をするのか!
返答しだいでは、セント・レーガンの名をもって成敗するぞ!」
サラ「何言ってんです、いまさら!」
アスハム「なに!?」
サラ「だってそうでしょう? ヤーパンの『エクソダス』について、今日まで正式の中止命令は、ロンドン・イマからないんですよ! ということは、セント・レーガンが出動することはないでしょう!」
アスハム「わたしは…元セント・レーガンのアスハム・ブーンであるッ!」
■アスハムのゴレームがリングをキングゲイナーに投げつけてくる。
ザッキもゴレームで出てくる。
■ジャボリはザッキに煽られてキングゲイナーに突っかかってくる。
ジャボリ「大尉が見てるところで、点数を上げたいんだ!」
ゲイナー、サラ「あんたは邪魔!」
キングゲイナー、ジャボリのアンダーゴレームの胴体をぶった切る。
ジャボリ「そんなのないわああっ!」
アスハム「何を言っている。嬢ちゃんは。私は列車を守らねばならん!」
■ザッキのゴレームに向かってキングゲイナーは三段手投弾を投げる。
一方ゴレームはリングを投げてくる。そのリングがキングゲイナーの右腕にはまり、
締め付けてくる。
■アスハムのゴレームは列車を持ち上げ、転げ落ちたゲインを捕まえる。
アスハム「策は尽きたな。どうする? 『黒いサザンクロス』のゲイン・ビジョウ」
ゲイン「こ、この鉄仮面が冷えきって頭痛がする…生きているかぎり、希望を捨てないつもりでいたが…」
アスハム「ふん、限界かもしれないなあ」
■突っ込んでくるザッキのゴレームに対し、ゲイナーはサラにコックピット後ろのレバーを引かせ、オーバースキルを発動させる。キングゲイナー右腕にはまっていたリングは吹き飛び、チェンガンの刃は光り、伸びて、ザッキを撃退。ザッキのゴレームの落としたリングを拾い、アスハムのゴレーム目がけて投げる。
ゲイン「カリンのところに連れていくなら連れていけよ! アスハム兄さん!」
キングゲイナーの投げたリングがゲインを掴んでいたゴレームの腕を切断。
アスハム「ザッキの奴! (ゲインの方を向き)貴様に兄と呼ばれるいわれなどは、まだない!」
ゲイン「そのつもりで、シベリアまで来たんだろう!(ガウリ隊長がゲインにライフルを投げる)アスハムよお!」
ゲインがアスハムのゴレームの「目」を狙撃。
アスハム「く…『黒いサザンクロス』という…狙撃の名手だったな…ゲイン」
ゲイン「これ以上の人殺しはさせないでくれ」
アスハム「いまさらああっ!」
その二人の間にキングゲイナーが入ってきて、アスハムのゴレームを吹っ飛ばす。
ゲイナー「ゲインはねえ、今はお前たちになんか渡せないんだ! ロンドンに帰れ!」
アスハム「『エクソダス』をするからと言って、シベリア鉄道のレールを破壊することは
許されてはいないっ! ザッキ、聞こえているか、私の目になってくれ!」
アスハムは撤退する。
■ヤーパンの天井に戻ったゲイナーたち。
ベローに、コックピット内でサラといっしょにいたことを羨ましがられるゲイナー。
ベロー「お前、抱きついたりしたんだろ」
ゲイナー「どっちかっていうと、抱きつかれっぱなしでしたけど」
■ナンとトゥン、コナはゲインの鉄仮面を外そうと乱暴に叩いたり、無茶な案を口にしたりする。
その場を立ち去ろうとしたガウリ隊長の服からカギが落ちる。
ガウリ「請負人、ひょっとするとこれ、いるかな?」
ゲイナーはガウリからカギを奪い取ってゲインの鉄仮面のカギ穴に差し込む。
ゲイン「すまないな…最後まで」
ゲイナー「これで借りを返し終わったなんて、思っちゃいませんよ」
鉄仮面が外れる。
ゲイン「礼を言うぜ、ゲイナー。しかしガウリ、貴様あああっ!」
ガウリ「その程度でへたる奴かあああっ!」
ガウリ隊長は何故かカニ走りでゲインに近づき、
ゲイン「わざと隠してええええっ!」
ゲインは何故か蹴りを入れながらガウリに近づく。
ガウリ「あっはっはっはっはっは」
じゃれ合う二人。

リアルタイムで観ていた者にとっては驚愕の回(笑)。さあ、このあたりからただのあらすじじゃなくなってきます。