第9話 『奮闘!アデット先生』(2002/11/02放送)

脚本/浅川美也
コンテ/斧谷 稔・富永恒雄
演出/久保山英一
作監重田敦司

■ゲイナーたちのクラス。アデット先生が教壇の上に座って
生徒用に配給されたパンをつまみ食いしてる。
■少しは先生らしくしてくれ、という生徒たちの非難に、アデットは、
「メシぐらい、あたしが腹いっぱい食わせてやる。
お前ら、今日の夜中12時、ユニットの畑の前に集合しろ」
■というわけで、ゲイナーたちのクラスはシベ鉄の貨物列車を襲撃することになる。
ゲイナーのキングゲイナー、サラとベローのパンサー、他数名の生徒のシルエット・マシン、の三機。
サラはキングゲイナーのコックピットにアデットがゲイナーといっしょに乗ってることを気にしている。
■ママドゥにも襲撃のことは知られているらしく、念のため、ゲインが様子見で出る。
■「本当かい?」を歌いながら、列車へと向かう三機。
アデットは元警備隊だけあって、列車ダイヤを把握している。
■列車がやってくる。
■アデットが強引にキングゲイナーを操作、チェンガンを撃つ。列車手前のレール付近に着弾。
アデットがキンゲ・コックピットから出て、シルエット・マシンに乗り換え、止まった列車に向かう。
ベローもそれに同乗。
■ゲイナー「何てことしてくれるんだ。サラ! ドゴッゾが動いたぞ!
戦闘地区に女先生が入ってしまった、迂闊に撃てない!」
サラ「そんなこと見ればわかるでしょ! あの子たちを守るしかないわよ!」
ゲイナー「了解!」
ゲイナー「あの二機をこちらに引きつけておけば、作戦は成功する」
サラ「あなたはあの女先生にだまされてるんでしょう」
ゲイナー「ベローだっている。クラスメイトを危険な目に合わせたくない」
サラ「怪しいものね」
ゲイナーは襲撃してるのはこっちなので(悪いのはこっちなので)、なかなかドゴッゾを撃てない。
それをサラが、動けないようにするだけでいいんでしょ、と注意する。
■アデットは自分が盗賊にやられた方法で、貨物列車をひっくり返し、
そのままソリにする形で引っぱって強奪しろと言う。
その強引なやりかたに唖然とするベロー以下生徒たち。
■一方、キングゲイナーとパンサーはドゴッゾ隊を引きつけ、牽制していたわけだが、
ゲイナーはサラに、敵を傷つけずに倒せたことを誉められる。
サラ「でも、機械相手だと腕を上げられるのに、なんで人間相手のつき合いは下手なの?」
ゲイナー「えっ、そ、そりゃ、機械と違って、人間は相手の意志があって…」
サラ「な〜に言ってるの、機械にだってゲームにだって、クセはあるんだから、人間と同じじゃない」
ゲイナー「だけどなあ…同じか…」
■貨物列車が時間通りに来ないので、
ジャボリ、ケジナン、エンゲの3人がアンダーゴレームで見回りにやってくる。
今回はジャボリが隊長になっているらしい。
■ゲイナーたちはヤーパンの天井に戻る途中で、
単独でヤーパンに「エクソダス」するピープルたちに食料を分け与える。
アデット「悪いことしたからって、付け焼き刃の慈善事業やったってしょうがないでしょ。なんだよその顔」
生徒「いてっ、蹴飛ばすことないでしょう」
アデット「だいたいシベリア鉄道ってのはね、3〜4倍の値段でお前たちピープルに売りつけてたんだから、
このくらいいただいたって、どうってことないんだよ」
■べローと生徒たちが盗んだ食料の仕分けをしている。
ゲイナー「悪いねー、ベロー」
ベロー「なんでだよ」
ゲイナー「手伝わなくって、すんません」
ベロー「いいんだよ。お前はお前でちゃんとやってんだから、
みんな納得して、仕事やってんだよ。ちゃんと守ってくれりゃいい」
ゲイナー「アデット先生も…そうなんだ」
■ゲイナーたち、アンダーゴレーム隊に発見される。
ケジナン「食べ物の恨みは怖いぞ〜」
ジャボリ「う〜ん、実戦だわ、ど、どうしよう」
のわりに何故か嬉しそうなジャボリ。
キングゲイナー、ジャボリ機のワイヤー付きロケットパンチ(?)につかまれ、
地面に叩きつけられる。
アイキャッチ
■アンダーゴレーム三機でキングゲイナーを捕獲しようとする。
ロケットパンチの一つが列車上の生徒の一人に当たる。
ベロー「骨折でもしたのか?」
生徒「…大丈夫だと思う。ゲイナーが負けたら、俺たちどうなるんだろう…」
ベロー「心配すんな。今のうちに距離をあければ…」
■アデット、列車を止め、シルエット・マシンでキングゲイナーのもとへ向かう。
■苦戦するキングゲイナーとパンサー。
■ジャボリ機、胡座に右腕を上に、左腕を下にしたポーズで、
「ここは一斉射で決める。いいな! 天上! 天下! 唯我独尊!」
■しかし三機の出したワイヤーが絡まってしまう。
■ゲイナーが油断した隙に、
ジャボリ「それが甘いってんだよ!」
ケジナン「アンダーゴレームの!」
エンゲ「リモートフィスト!」
アンダーゴレームの「手」がワイヤーから外れ、キングゲイナーを押さえつける。
■ピンチのゲイナーに、アデット先生の声が。
アデット「何やってんの、本体の動きをよく見ればわかるだろ、ゲイナー君!」
ゲイナー「見えないんですよ、先生! 20度、17度!」
アデット「遅い! 18.50!」
アデット「先生にはよく見えてるから、先生の指示に従えばいい」
ジャボリ「あれって…」
エンゲ「姐さんですよ」
ケジナン「アデット・キスラー…」
■アデット先生の戦闘指導で敵を次々となぎ払っていくゲイナー。
ゲイナー「切りましたよ、先生」
アデット「気を抜くな。ジャボリのお調子者が正面上だ! かかれっ!」
サラ「そっか、昔の部下が相手だから、クセを知ってるんだ」
ジャボリ「アデット姐さんが操ってんじゃないんだから!」
■流れ弾が生徒のいる列車の方に着弾。
生徒「大丈夫なのか、ベロー」
ベロー「大丈夫さ、キングゲイナーが盛り返してくれるさ」
生徒「俺たちガウリ隊じゃないし、ゲイナーでもないんだ。
怖いんだよ、家に帰りたいんだよ」
ベロー「う…サラだってパンサーで出てるし、
アデット先生はシベ鉄だった人だ。勝てないわけないだろ」
キングゲイナー、ケジナン機を倒し、アデット先生の指示を受け、
ジャボリ機も倒す。
ジャボリ「そんなの嘘でしょ、お姉様!」
■ケジナン機がアデットを捕まえるが、
サラ「放しなさいよ、うちの先生を!」
ケジナン「先生? 誰が先生なんだ?」
アデット「今は学校の先生をやってるんだよ」
サラ、爆笑してるケジナンをアデットの指示でコックピットから突き落とす。
ケジナン「そ、そんなこと言わないでいっしょに帰りましょうよ」
アデット「強い男のいないシベリア鉄道なんてごめんだね」
ケジナン「俺たちがいるじゃないですか」
アデット「あたしを頼ろうって魂胆だろ。やだね」
ケジナン「こ、この〜尻軽女が〜」
■そのとき、ケジナンの帽子が吹き飛ばされる。
「黒いサザンクロス」がゆっくりとやってくる。
ゲイン「出番はなくなってるようだな…」
すっかり御株をアデットに奪われた形となったゲイン。
ケジナンは逃げ出している。
■ゲイナー、穴のあいたケジナンの帽子を取り、
ゲイナー「まさかと思いたいけど…」
サラ「どうしたの?」
ゲイナー「これ、信じられる? 狙い撃ちしたらしいんだ」
サラ「『黒いサザンクロス』の噂って、本当だったってこと?」
ゲイナー「そうとしか思えないよ」
サラ「…そうね」
ゲイナー「なんで『黒いサザンクロス』って言うんだ? あいつ」
サラ「狙撃のあとに十文字に弾の痕を付けるからだけど、あれが本人なの?」
■ゲインの横でエンゲ(あるいはシベ鉄の誰か)と連絡を取ってるらしいアデットだが、
勝手にしろと言い放つ。ゲイナーは他の生徒から誉められている。
生徒「ゲイナーのおかげで助かったよ。ありがとう」
ゲイナー「い、いや、みんなキングゲイナーのおかげさ」
ゲイン「謙遜するほど働いたのか? たいした成長だな」
ゲイナー「最後の最後まで、ケリはつけられませんでしたけどね」
■翌日。ゲイナーの家に泊まるベロー。
そこへアデット先生が押しかけてきて仰天する二人。
アデット「見込みありそうな生徒は、今日からあたしが特訓してやるからね」
シャワー室からはアデット先生の「本当かい?」の歌が…

当時の感想コメントでも書いたんだけど、この回はシリーズの中で一番「富野編集マジック」が堪能できる回だね。何度繰り返し観ても飽きない。