オタクVSサブカル(ユリイカ 第37巻第9号―詩と批評)

買いました。まだパラっとしか読んでいませんが、懐しかったですね。というのも元々、自分の中で、オタク趣味と、サブカル趣味、両方があって、分裂していたんです。接点がなかったんですね。オタク趣味は主にアニメで、サブカル趣味の発端はYMOにハマってからでした。自分の中では、サブカル分野って(例の「新人類」とかですね)YMOが中心にいたように思えたんです。で、その二つが接点を持つように思えた象徴的な出来事が自分にとっては「オネアミスの翼」の音楽を坂本龍一が担当したことなんですね。だから、「エヴァ」の時点でアニメがサブカル的な捉え方をされたのはそんなにショックではありませんでした。むしろ、やっとそういう状況になったか、と感じました。

現在ではいわゆる「サブカル」は死滅状態にあり、オタク全盛だそうですが、自分としてはまだザブカルの残滓を引きずっています。再び、自分がサブカルの人間か、オタクの人間なのか、宙ぶらりんのままでわからないでいます。自分の立ち位置、足場が見えないんですね。ずぶずぶと足が沈んでいく感じがあるんです。

まして、さらに現在、「オタク」とは「萌え系」、「アキバ系」のこととなりつつあるらしい、となると、もうどうしていいのかわかりません。とりあえずこのサイトではアニメ感想中心になっていますが、それも、その方がわかりやすいからなんですね。コミュニケーションがなんとか取れるんです。アニメについてサブカル的な切り口もやりたくて欲求不満にもなっているんですが、それはもう不可能なんですね。もし、このサイトがアニメ感想サイトとはどうも言い切れないと思われることがあるとすれば、それは自分の中にサブカル趣味があるからです。

結局、この本でばるぼら氏が言ってますが、オタク、サブカルといったことよりも、切実なコミュニケーションの問題なのかもしれません。