エルフェンリート 6話「衷情」(公式)

それぞれの過去と居場所

おぼろげだが、各キャラのドラマがゆっくりと動いている。角沢教授が何らかの理由で死に、にゅうが逃げ出したことを知るコウタ。一緒ににゅうを探していいか、と尋ねるユカ。にゅうがなかなか見つからない間に、控えめながらもコウタに思いを打ち明け、接近しようとするユカ。そのシーンの舞台となるのが佐助稲荷神社で、ここが今回の一番の見せ場。コウタとユカのやりとりの合間に挟まれるお稲荷さんのカットは、明らかにルーシーの視点の前フリとして機能しており、その後にゅうがルーシー人格で現れて、ここで初めてコウタが無意識に封じた過去のトラウマに、ルーシーが関わっているらしいこと、そしてそのことでルーシーも苦しんでいるらしいことがおぼろげに明らかになる。ユカの抱えるもの、コウタの抱えるもの、ルーシーの抱えるものが、それぞれ絡み、重い三角関係になりそうな予感。ユカはルーシーに一歩リードし、コウタという「居場所」を手に入れたかのように見える。しかしルーシーはコウタとは一緒にはいられない、と言う。苦しみが増せば人格がまたにゅうに変わってしまう。にゅうはコウタたちの「家族」の一員という「居場所」があるが、ルーシーにはそんな「居場所」はない。そこで分裂はいっそう深くなる。一方、蔵間が自分の娘を自らの手で殺したらしいことが語られ、それはディクロニウスと関係あるらしいようにも見え、その罪滅ぼしなのか、「処理」されたことになっているナナを蔵間は救う。さらにそのナナの前に治療を受け復活した坂東が現れ、ナナに銃を向ける。次は、坂東とナナの「居場所」の話なのか。