エルフェンリート 2話「掃討」(公式)

日常と非日常が初めて接触

この回で前回別々に描写された日常と非日常が、初めてにゅう=ルーシーを接点にして接触する。コウタの妹の形見の貝殻を割ってしまい、コウタを怒らせたにゅうは楓荘を飛び出す。コウタのもとにルーシーの写真を持った警察がやってくる。特殊部隊だけでなく警察もルーシーを追っているらしい。一方、にゅうはコウタのために海岸で代わりになる貝殻を探す。コウタはユカに諭され、にゅうを探す。にゅうを見つけるコウタ。そこを特殊部隊SATの坂東に発見され、コウタは気絶させられる。ルーシーと喜びいさんで対決しようとする坂東だが、その手応えのなさにやる気をなくす。しかし、坂東の部下に殺されそうになる瞬間、にゅうはルーシーとして覚醒、部下をあっさり殺し、さらに坂東に襲いかかる。結局、ルーシーに片腕をもぎ取られ、両目を潰される坂東。そのときルーシーがつぶやく「楽しいかい…飽きた…」。まだその言葉の真意はわからない。ルーシーは手に持っていた貝殻を見て(暴れる坂東の腕がルーシーの手に当たり、その手に持っているものにルーシーが気づくところが何とも細かい)坂東にとどめを刺さず、にゅうに戻ってしまう。もがく坂東に驚きにゅうは逃げ出す。その後、何の関係もなさそうな、子犬を抱えた一人の少女が凄惨な姿になった坂東を見つけ、応急処置をして救急車を呼びに行く。そして少女が戻ってきた時には坂東はいない(ここで、おそらく坂東が運ばれたらしい特殊部隊のヘリと、少女が呼んだらしい救急車のサイレンのSEだけですれ違いを処理した演出は秀逸。音の使い方は実に優れている)。ということは、坂東は再登場もありうる、ということだ。それにしても、子犬を抱えた少女の「無関係さ」も際立っているのだが、さらに坂東を見て逃げ出さないのも不思議。普通恐怖を感じて逃げるだろう。介抱するにしても少女の感情があまり見えないのも不思議。どちらにしても「感情」が見えないのだ。それだけ淡々としているのである。コウタの幼なじみのユカにしても、にゅうを思うコウタに嫉妬じみたものを感じているように見えるシーンがあるが、それほどその感情にこだわっているようにも見えない。雨に濡れて楓荘に戻っていたにゅうの服をコウタが着替えさせ、そこをユカに発見される、よくあるエロコメ的なシーンにしても淡白なのだ。つまり、日常にしても、非日常にしてもどちらもクールなのである。これはコントラストとしては弱いかもしれない。


次回、3話でコウタの前にルーシーが初めて姿を見せるらしく、ドラマの本題はそこから始まるのだろう。