第37話『いたずらキューピト』

■メテオさんの恋力と親代わりコメットさん


キューピトの力でコメットさんとイマシュンをく
っつける作戦を実行するムークとメテオさん。
しかしメテオさんは明らかに乗り気ではなく、こ
とあるごとに中止にすべき、と言います。
その後、キューピトがコメットさんに矢を当てる
ことに成功したという報告を受けたメテオさんは
落ち込みますが、


「おかしいね、いつものメテオちゃんだったら全
部いただくわったら、いただくわって言うのに」
「そうよ、わたくしはすべてをいただくのったら、
いただくのって言うのに」
「えっ…そうだわ、瞬さまがコメットのものにな
ったって、デザートがあるじゃないのったらある
じゃないの! ほほほほ、そうよったら、そうよ
!」
「おー、復活したね」
(略)
「ムーク! いただくわ、残りのすべてをいただ
くのがこのわたくしなのよ!」


この風岡夫妻とのやりとりでメテオさんの「王女
的メンタリティ」が復活します。キューピトの力
でイマシュン以外のすべての人間のハートを自分
のものにしようとします。

しかし、コメットさんの話からキューピトの矢が
じつはラバボーに当たっていたことを知ったメテ
オさんは自分の中の矢を抜かせます。そしてコメ
ットさんはメテオさんがイマシュンのことが好き
なのを知ってしまいます。

コメットさんは自分の「恋」に鈍感なくせに、他
人の「恋」には敏感です。それは他人の(たとえ
ば「恋」という)「輝き」に人一倍敏感だという
ことかもしれません。

メテオさんがラバボーからキューピトの矢を抜か
せ、イマシュンが正気に戻ったとき、イマシュン
はコメットさんに、

「そうだよね、俺確かむしょうに会いたくなって
…君に?」と言います。

この瞬間、コメットさん、メテオさん、イマシュ
ンとの間に三角関係が成立しかけます。イマシュ
ンのこのセリフのあとメテオさんが少し引くとこ
ろからそれが分かります。

しかし、すかさずコメットさんが「違うの」と自
分の位置をずらします。三角関係の外にずれ、メ
テオさんに対して「親」の位置につきます。メテ
オさんにイマシュンを送らせようとすることで、
メテオさんの「恋」の「輝き」を応援しようとし
ます。それを受けたメテオさんはイマシュンに対
する「恋心」を自覚するようになり、そのサイン
として(コメットさんでも自力で発動することの
なかった)「恋力」が発動します。


「コメットさま、これは仕返しですか」
「仕返し?」
「ムークめがコメットさまと瞬さまをくっつけよ
うとした…」
「ボーの姫様はそんなことしないぼ」
「よくわからないけど、自然なことだと思ったの」
「自然…」
「うん。メテオさん、瞬さんと仲良くしたかった
んだもの」


しかし、イマシュンは相変わらずコメットさんの
ほうを向いています。だから、メテオさんはひと
りで盛り上がっているように見えてしまう。その
シビアさは次の38〜39話でクライマックスを迎
えます。(2002/10/20記)