「大人であるということ」

個人的なテーマとして、今、「子供向け」とは何なのか?というのがあるのだけど、まずその前提として思考メモ程度で書いておく。
カミーユ症候群(ガンダムシリーズ富野由悠季
http://d.hatena.ne.jp/psb1981/20070603

先行世代がちゃんと(汚れた)大人役を引き受けてくれないと、少年は反発の対象すら失って、途方にくれてしまう。”大人になりきれないオトナ”が子供から何を奪うのか、Vガンダムあたりを観ればなんとなく分かると思う。迷いながらも子供の前に立ちはだかって、彼らの反発を受け止めるのが(嫌でも)大人の仕事なのだ。

これを読んで、ジャンルは異なるが、ある蜷川幸雄の芝居で、鴻上尚史が俳優としてやった役で(鴻上自体がやった役の台詞かどうかは忘れたが)、「俺は正直、若いお前の気持ちがわからん、教えてくれないか」とかいう台詞があって(←あくまで俺の記憶の中の台詞なので正確なものではない)、若者が大人からそんなことを言われてしまったら何と反論すればいいのか、惑うに違いない、返って若者は、相手が反発してくれた方が、若者は馬鹿野郎、何にもこちらの気持ちを分かっていないくせにと、単純に言い返せて、その繰り返しで自分の「価値観」を持てるようになるのではないかというニュアンスのことを、鴻上はエッセイの中で指摘しているのを思い出した。