鴻上尚史:ヘルメットをかぶった君に会いたい

すでにアマゾンの解説やいくつかのレビューですでに語られてしまっているので、俺が付け加えることは何もないのだが、一応アマゾンの解説。

革命と青春を描いた鴻上尚史による初の小説。
ある日、テレビに映った1969年4月の元少女。ヘルメットをかぶった君は今、どこで何をしていますか? 「僕」は彼女を探し求めながら、いつのまにか秘密の爆破計画へと引きずり込まれて…。

1969年のヒット曲『風』が流れて、学生運動の映像が流れ始める。僕には、学生運動の初期の映像だということが分かる。連合赤軍事件や内ゲバにたどり着く前の、どこかのどかさが漂う映像。一人、ヘルメットをかぶった女性の顔がアップになる。どこか涼しげで聡明そうな顔。彼女は、視線を移し、口を動かす。「あっ!こんにちは!」のように読みとれる。その瞬間のはじける笑顔。僕は、彼女に会いたいと思った。ヘルメットをかぶったあなたに会いたい、と猛烈に思った。鴻上尚史、初の小説。

そしてある人のレビューでも触れられている、この世代でなくとも、俺が一番ドキリとした多岐祐介氏のこの言葉。

「幸せになりたいと思ってはいましたが、人より、よけいに幸せになるのはよそうと思っていました。それが、生きていく中でとても大切なことだと感じていました」

ヘルメットをかぶった君に会いたいヘルメットをかぶった君に会いたい
鴻上 尚史

集英社 2006-05
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