『機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛-』感想(幻視球)

http://bono.chips.jp/archives/2006/03/zg3.shtml
はてブでも取り上げたし、下のコメントでも触れたんですが、再度強調しておきたいんで引用。

前2作では、エンターテインメントとして扱われたメカアクションが、今作ではドロドロとした窮屈なものとして描かれ、爽快感を削いで見せているのが面白かったです。長く辛い時間を経て、ラストで徐々に緊張を解いていくZガンダム(<こんなメカ演出の出来る人が他に居るだろうか?)、そしてラストのバカバカしい開放感。すっかり違う物語に生まれ変わっていました。神の視点で作られた(と思われる)TV版に対し、劇場版は人間の目線に降りて作り直されたような印象も受けました。

「徐々に緊張を解いていくZガンダム」(ウェーブライダー形態からゆっくり人型に変形。「人型」になる、というのがポイント)のシーンは、つまりラストのバカバカしくも健全なシーンへと持っていくための、いわば「つなぎ」のシーンとも言えるわけですが、鬱屈したTV版から健全な劇場版へのゆるやかな「変化」を示したものとも言えるわけです。その「ゆるやかさ」が実に象徴的かつ見事で、ああいう演出はそう簡単に出来るものではないな、と思いました。