絶対少年 8話

ちょっと面白くなってきた。今回は須河原(アナウンサー)のセリフが興味深い。

君も、出口を探しているんだよね。だって、世界は、開いていると思いたいから。妖精の輪って知ってる? イギリスかな、草地に丸く円を描いたように地面が露出しちゃうことがあって、向こうの人たちはそれを、妖精が踊りを踊ったあとだって考えてた。長い間ずっとね。だけど最近の研究で、菌類、まあキノコの仲間かな、それのせいで草地が丸く禿げるってことがわかったわけだ。「妖精の輪」は妖精が通ったあとじゃない。それは立証されたかもしれない。でもそのことで妖精の存在まで否定されちゃうのかと。目に見えるものだけが世界のすべてじゃない。世界は決して閉じてるわけじゃない。わたしらが感知できないだけで、いろんなレイヤーで繋がり、複雑に絡みあってる。わたしは、そう思いたいんだな。…でも「逃避」じゃなくて、「把握」の仕方だよ。あの山の向こうには見知らぬ街がある。海の向こうには見知らぬ世界がある。そう思えばこそ、人って頑張ってこれたんじゃないの? この盆地が世界の全てですっつったら、わたしは萎える…。

舞台の閉鎖性と、キャラクターたちの妙に自閉的なセリフ回し、関係がシンクロしていて、でも「出口」自体には何らかの禁忌があって…。