浜野保樹の「日本発のマンガ・アニメの行方」

第9回 ライブアクションの末裔
http://hotwired.goo.ne.jp/culture/hamano/040907/index.html

つまり、ディズニーは作業を効率化し、人件費を削減するために、ライブアクションを使ったのだ。さらに、動きの抽出だけでなく、「演習内容や演出のチェック」のためにライブアクションを使ったという。『シンデレラ』(1950年)は、ディズニーのその考えに基づき、全編ライブアクションの撮影をもとにして作られた作品である。

人間の動きを抽出し、それをもとに加工してアニメーションを作るということでは、モーション・キャプチャーはライブアクションの末裔であり、進化系だ。それゆえに『アップルシード』は、ディズニーのライブアクションの思想をも継承している。『アップルシード』は、3Dアニメーションでありながら、制作費の安さと制作期間の短さで話題になったが、ディズニーがライブアクションによって目指したことを実現したといえる。曽利氏も、制作時間の短縮 などを意識していていたことをあかしている。