プラネテス 19話「終わりは いつも…」(公式・NHK)

脚本/大河内一楼、コンテ/須永司、演出/五十嵐達也、作監/米山浩平・池田有
総作監千羽由利子
あらすじ
アバンタイトルで、マスコミを利用し前回の手柄をアピールしたことでデブリ課はあっさり存続。まあ、利用したというより、前回で報道に転身した映画撮影クルーに偶然接触したから結果助かったところはあるんだけど。シナリオ的には何となくあそこは逆算して絡ませたっぽい。というわけで、OP挟んで話の重心はハチマキ寄りになることに。今回はハチにはっきりと自分の思いを言い切らせてるんで、テンションが原作に近いかな。その背景となるテーマとして、夢を追う者と安定を望む者との対立がまずあって、その構造の中に、アバンのデブリ課、あっさりチェンシンを諦めたリュシー、ハチに対する元同僚の陰口、無職になり野宿するハチマキ、フォンブラウン木星往還船)の基礎試験を見ていた記者の言う地上の貧困と宇宙開発、ご丁寧にその後ホームレスにたかられるハチマキ、同じく試験を受けるチェンシンには差をつけられていたりとエピソードを積み重ね、後半、そうであっても、最終試験で事故ったテスト生を見捨ててまで、フォンブラウンにこだわるハチ。あくまで会社に寄りかかるチェンシンに自分にはフォンブラウンしかない、と言い切るハチマキ。ここでチェンシンが以前あっさりタナベから身を引いたことまで繋げてたのには感心しましたね。ハチのセリフ(共感できない人は多いだろうけど)に説得力持たせてました。
しかも面白いのは、単純に夢と現実、冒険と安定の二項対立だけで済まさず、エゴイストであり、リアリストでもあるロックスミスという人物の存在でひねりを加えてること。ドルフに言う「もしかして優秀すぎた?」のセリフも良かった。その他、ハチの背中を押すような役割のように見えてその目的に含みがあるハキムとか(たぶん、残り話数から言って、最終対決はハキム(+クレア?)VSハチか。上のレベルではロックスミスVSドルフもあるだろうし)、リュシーが抜けてフリーになったチェンシンが再びタナベを狙いそうだとか、ここんとこ飽きさせませんねえ。放映後の雪野五月鈴木砂羽の会話も駄目押しになっていた。