プラネテス 18話「デブリ課、最期の日」(公式・NHK)

脚本/大河内一楼、コンテ・演出/山本恵、作監/中谷誠一・植田洋一
総作監千羽由利子
あらすじ
タンデムミラーエンジンの事故の影響で、風評被害を恐れたテクノーラ社は木星開発計画から距離を置くため、別会社「ガリレオ開発」を設立、第2事業部長ドルフはその代表取締役として出向させられる。そして第2事業部は第3事業部長も兼任するノーマンの管轄下となり、部署内トップで赤字のデブリ課は解散させられることに。一方、ドルフがいなくなったことでクレアの立場も危うくなり、彼女は仕事をサボるようになる。いつものように保安庁のハキムと会い、そこでハキムの、内乱続きで連合の介入を受けている祖国の話を聞く。で、デブリ課の連中は、ラビィは新事業部長のノーマンを接待して気に入られようとしてたり、ハチマキは木星行きのことで頭がいっぱいで、怒ったタナベが一人でノーマンに掛け合おうとするものの、会わせてすらもらえず、偶然通りかかったクレアに「下の人間が上の人間に勝とうと思ったら正攻法では駄目」と言われたり。
そしてデブリ課の最期のミッション。その最中、旧式の宇宙船から救難信号を受け、向かうトイボックス2。その宇宙船内には5話で登場した映画撮影のクルーがいた。報道に転身した彼らは、連合がデブリに見せかけたデータ機雷の存在を暴こうとしていた。しかし、その当のデータ機雷によって船の航行システムをやられてしまったのだった。デブリ課の連中は管制課からそのデブリ(機雷)の回収を止められたものの、言うことを聞かずあくまで回収、破壊しようとする。難易度の高い船外活動だがハチマキは木星行きのこともあってか、それに挑戦しようとする。しかし同乗していたラビィが葛藤の末(子供らとの通信で、自分がデブリ回収の仕事から離れたことを伝えると、子からじゃあ誰が宇宙を守るの? と問われたにもかかわらず)、子供の将来のために回収をやめさせようとする。フィーは「テクノーラが社会のすべてじゃない」とラビィを説得、他のメンバーも作業を続行する。管制課の言うことを聞かないことを知ったノーマンは自分の手もとの装置からトイボックス2を停止させようとする。デブリ課課長が停止システムを作動させるためのパスワード入力を拒否したので、そのまま機雷に近づくトイボックス2だが、機雷のシステムを騙す(近づくトイボックス2の存在を感知されないための)ナブスター接続をノーマンによって切られ、トイボックス2は機雷に接触したと同時に機能停止してしまう。ノーマンと管制課のスタッフに抵抗する課長とエーデル。特にスタッフに蹴りを入れたりするエーデルが様になってる(笑)。その様子を通信で聞いていたラビィはサラリーマンとしての自分と、親としての自分、二つの立場の間で揺れ動き、ついに手動で動く旧式宇宙船のアームを使い、機雷のシステムを破壊する。
というわけで、今回はラビィが主役の話で、久々にサラリーマンの葛藤の話、お父さん無茶しちゃうよ、みたいな話でした(その後デブリ課が存続するかどうかについてのフォローはありませんでしたが、それは次回ですかね)。と思ったら、ラストで船に帰還したハチマキがタナベに、(木星行きのために)自分が会社を辞めることを伝えたりもしている。つまり、ハチマキにとっては個人的な理由で「デブリ課最期の日」だったと。他の連中が「宇宙を守るためにはデブリ課は必要なんだ」と団結している一方で、それに同調しているかのように見えて実はハチマキは個人的な動機で動いていたと。その違いの描き方は前回のエピソードからの繋がりもあって上手かったですね。同じく、途中にあったハキムとギガルトの会話シーン、あれもぼかしてましたが、ハキムが保安庁を辞めて木星行きを伝える会話だったんでしょう。


で、忍者は?(笑


・2/14、2/21、『プラネテス』放映後、雪野五月がゲスト(再掲)