プラネテス 17話「それゆえの彼」(公式・NHK)

脚本/大河内一楼、コンテ/須永司、演出/大橋誉志光、作監/しんぼたくろう・高瀬健一
総作監千羽由利子
あらすじ
ほう、エンジンの実験場で事故が起きたにもかかわらず、そこで働いてた忍者ごっこ連中についてはスルーですか、そうですか。なるほど、これは「後」があるってことだな。つまり、今回ハチマキとその父親ゴローに、ロックスミス木星往還船の開発者で、「研究施設をいくらふっ飛ばしたって私は更迭されない。何故なら私は宇宙船以外なにひとつ愛せないという、逸材だから」と自ら豪語する人物)が事故の記者会見で責任とって辞職するどころか「次は失敗しません」と言い放ち、わがままを突き通す態度に関心を持たせるのは原作通り(ゴローは最初宇宙に飽きて地球に降りるはずだったが、ロックスミスに興味を持ち、木星往還船に乗りたくなる)で、後から「実はあの事故で忍者さんたちが…」という展開なんでしょうか。一段深く仕掛けるわけね。で、その事故を根拠に例の「宇宙防衛戦線」がクレアを巻き込みつつ立ち上がり、忍者たちが×××と知って葛藤するハチマキの前にハキムが立ちふさがる。今回「わがままになるのが怖い奴に、宇宙は拓けねえさ」と言わせておいて、今後、犠牲になった忍者を持ってくるわけだ。これで人情話も伏線化されたよ! 上手い! 宇宙への欲望(ゆめ)のために、人情が犠牲になるって話か! って、これはほとんど私の妄想なのでホントにそうなるかどうか、わかりませんけどね。
アニメオリジナル的には、すでにタナベとつき合ってるハチマキは木星へ行けば7年かかることが気にかかるものの、ロックスミスの会見の後では宇宙への興味がますます強くなる。タナベはタナベで宇宙への夢に向かってまい進するハチにデートをすっぽかされてリュシーに愚痴を言いリュシーは無責任に寝ちゃえば?とか言ったり。そしてここんとこ毎回のようにハキムとクレアの会話シーンがあり伏線着々と進行中。クレア、声優繋がりでまさかカテジナ化するんじゃんなかろうか(笑)。一方、テクノーラ社から疎まれてるらしいロックスミスの目付役(?)を、同じく疎まれてる第3事業部長のドルフが押し付けられることになったり。最後に宇宙白血病のギガルトをロックスミス木星往還船乗員メンバーからあっさり切り捨てるところも彼らしい。などなど、原作との折り合いも上手い。あとはOPでまた細かい変更が。ハチマキが自分の「影」と対面するカット、宇宙服姿の「影」のヘルメットが取れて顔が出てる。細かいねー。