プラネテス 16話「イグニッション」(公式・NHK)
脚本/大河内一楼、コンテ・演出/村田和也、作監/中田栄治・千羽由利子
あらすじ
13話がユーリの「ターニング・ポイント」なら、今回がハチマキの「ターニング・ポイント」。原作エピソードの骨格を忠実になぞりながら、アニメオリジナルの要素を上手く折り込んでました。船外活動中の事故の影響で空間喪失症になるハチマキ。リハビリを続ける中でハチマキは自らの内面に入っていき、そこで自分の「影」と対話する。つまりここでハチマキだけでなく、今までゲストキャラを使って描いてきた「夢と現実」のテーマがいったん総ざらいされるわけですが、なるほどと思ったのは、原作にはない恋愛ドラマ要素が、その対立のための伏線といいますか、リアリティを与える要素になっていたことです。そのため、原作より奥行きのある話になっていた。
簡単に言ってしまえば、今回は前回まで恋愛ものでしつこく引っ張ってきたところに、自分の影が出てきて、「マイ宇宙船はどうなったんだよ!」って突っ込まれる話、なんですけどね(笑)。もっと俯瞰して見ると、恋愛や人情話ばかりで、それが『プラネテス』なのかよ! という突っ込みとも取れます(笑)。アニメ版の恋愛話、人情話が「影」に「いいんだよ、このまま楽になっても。宇宙はお前を愛してはくれないが、許してはくれる」と言わせるための根拠になっている気がしました。
最終的に、ギガルトのアドバイスでハチに木星往還船のエンジンを見せることによって、ハチは自分の「夢」を再確認して回復する。と同時に今回はアニメ版『プラネテス』が『プラネテス』であることを再確認する話なんじゃないかと思います。
次回はようやく、ハチマキの父親と、木星往還船の設計者、ロックスミスが登場。特にロックスミスとアニメオリジナルのテクノーラ社の間には何かありそうな感じです。しかし、タンデム・ミラーエンジン(木星往還船の核融合エンジン)の実験場に忍者連中就職させますか…そうですか、罪なことしますね。
プラネテス 6 | |
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