プラネテス 15話「彼女の場合」(公式・NHK)

脚本/大河内一楼、コンテ/杉島邦久、演出/北村真咲、作監/斉藤久・工藤昌史
総作監千羽由利子
あらすじ
むむむ、全体のテーマとしては弱いか。基本的に各キャラの伏線消化の話。一応エーデルの話ではあるんだが、彼女中心な感じでもない。その意味ではちょっと散漫な構成。デブリ課の面々が健康診断のため病院に集まっていて、エーデル(契約社員だから健康診断は受けられない)の話題になり、その当の本人がそこでバイトしてたっていう出だしはよかったんですけどね。エーデルが真面目に派遣の仕事をこなしてたり、バイトを掛け持ちしてたりするのは、勉強して正社員になって社会の底辺の生活から抜け出そうという動機付けからなんだけど、そのために元夫を登場させて、エーデルに事情を語らせてしかもデート中のハチマキとタナベにそれを聞かせるのは繋げ方としてちょっと強引。エーデルの動機付けがその他のキャラとリンクしてないので、テーマとしても深まらない。社会階層の話だったら例の忍者ごっこの連中出せばいいのに。その方がテーマ的にはすっきりする。でも伏線消化の連続性からいってそれは出来ないか。
一方で前々回、前回と続くハチマキとタナベの恋愛話があって、今回ステーション内でデートするわけだけど、チェンシンやリュシーとはもうぶつからない。すでに木星往還船関係に引っぱられてるチェンシンはタナベのことあっさり諦めるし、リュシーはどうしていいかわからないハチとタナベにホテルの部屋を取らせるだけ。その部屋にエーデルの元夫が隠れてて、そこにエーデルが元夫との縁を切るためにやってきて、上で書いたような動機を語る。
さらにもう一つ。クレアは自分の故郷エルタニカのために何かできないかといろいろやってみるわけだけど、どうにもできず、悩んでるところで軌道保安庁と彼らが追う組織(?)の人物たちとの間の騒ぎに巻き込まれ、ハキムに助けられる。またエーデルの元夫もハキムらが追う組織の仲間らしく、元夫はハキムに捕まり、そこでハキムとハチが会うものの、さしたる展開はない。
あとは何だったかな。事業部長のドルフが月の第3事業部で経理やってる昔の会社の仲間に会いに行ったりとか。エンディング後の一枚絵が一応今回のまとめになってましたけどね。社会の表と裏というか。ちょうど中心に立つエーデルの後ろ半分にナマコの水槽が「裏」としてかかってて、「表」側にハチとタナベ、デブリ課の連中。そしてクレアは完全に「裏」側に入ってる。
次回は原作エピソード回だしノノも再登場するみたいなので期待。