プラネテス 13話「ロケットのある風景」(公式・NHK)

脚本/大河内一楼、コンテ/村田和也、演出/古川政美、
演出協力/三好正人・村田和也、作監竹内進二
総作監千羽由利子・中谷誠一
あらすじ
うーん、演出が弱いかな。前回でフィーが「宇宙防衛戦線」のデブリにトイボックスをジャストミートさせ、船は大破。よってデブリ課は仕事にならず、地上に降りて休暇を取ることに。で、実家に帰るハチマキと一緒にユーリとタナベもついてくる。
ハチマキの家には母親と弟の九太郎がいて、今回は基本的にはユーリと九太郎のドラマ。「自分探し」病のユーリと、「はやく大人になりたい」病の九太郎。九太郎の早く背を伸ばそうとガツガツ飯喰うのとロケット打ち上げに勤しむのは同じ意味を持ち、若いがゆえの「あせり」に振り回されている。一方、ユーリは若いときの「こだわり」をいまだに引きずっている。動機は違えど、二人の抱えている問題は共通していて、それを最終的に、(九太郎がいったん壊した)ユーリのコンパス(方向を指し示すもの)を、九太郎のロケットで打ち上げるという共同作業で昇華させる。ユーリはそのことで「こだわり」から解放され、九太郎はユーリの気持ちはよくわからないものの、ユーリから背中を押される形になる。この手順は原作通りなのだが、やっぱり弱い。何故弱いか。ハチマキとタナベの恋愛があるから、なんだよなあ(笑)。今回ばかりは恋愛面は邪魔だったかな。とにかくユーリと九太郎のドラマが弱いので、トータルな印象としては、ハチマキとタナベが急接近した、みたいな部分しか残らない恐れがある。
ハチマキとタナベはどうしてたか。二人で夕飯材料の買い出しにいったりするわけですよ。まるで新婚だねーとか思って見ていると、案の定、ハチの昔の友達とかとばったり会うわけですよ。で、そいつが太ってたりするわけさ。バイク? もう乗ってないんだよ、結婚したんだよ、子供できちゃってさー、身を固めたんだよ。で、お前は? お前もいつまでも夢みたいなこと言ってないでさーそろそろ…あれ? 隣のその子、彼女? そうかあ、ようやくお前も、みたいな(ちょっと創作してます)、なんてお決まりな展開! そしてこれをきっかけ(なんてベタなきっかけ!)にハチとタナベの関係は一気に進展。
でもこのシーン、テーマ的に繋がってないこともないんだよね。ハチマキと九太郎のケンカにも繋がってる。九太郎の、ちっとも前に進まない兄に対するいらだちも良く分る。ただ演出のメリハリの付け方が弱かった。おかげでごく普通のドラマになってしまって、宇宙が舞台じゃないとなんか別のアニメみたいだなと感じさせてしまう。原作の方はそういう違和感はなかったから、やっぱり演出の問題でしょう。残念。
ああ、あとハチマキが宇宙を目指すきっかけも一応語られていて、それがそのままエンディングの画になってるんだけど、これも印象弱いよね。


次回は社内恋愛禁止令だそうで、予告は凝ってましたけど、どうなることやら。