東京ゴッドファーザーズ

観て来ました。最初、池袋の劇場も今日から公開かと勘違いしてしまい(テアトル池袋は15日から)、急いで新宿の方へ。で、新宿の劇場がこれまた非常に狭く、スクリーンも小さく、さらに上映数分前に駆け込んだので立ち見になってしまったのが残念でした(時間がなくて次の回まで待てなかったので)。映画自体は、コメディとして構成等よく出来てるのはもちろんなんですが、とにかく画面構成の緻密さ、その濃さに圧倒されました。これに比べると確かに『千年女優』の方が画面構成をセーブしてるのがよくわかります。ただ緻密に描き込んでるわけじゃなくて、いろいろな「意味性」を徹底して具体化、ビジュアル化して配置しているのでとにかく濃いんですね。この「意味性」については数回観直さないとわからないだろうから、DVDになったときにでも確認することにして、とりあえず今回は、レイアウトに関しては途中から流して見ることにし、ストーリーを追うことに集中しましたが。一方でキャラ作画は、「芝居」として面白いんですが、特に「表情の芝居」が多彩だったと思います。結構漫画的なデフォルメが多かったし、その変化するときの伸縮具合も面白かった。個々のシーンについてもあれこれ言いたいんですが、まだネタばれになるかもしれないんで、一つだけ。ミユキがホームレスになる前に太っていたらしい、という設定、これは共同脚本の信本敬子によるものらしいですが、その見せ方には感心しました。あれは、たいていのTVアニメだったらセリフで処理してしまうところでしょう。
追記。ハナについては、オカマが一番可笑しくて、かわいくて、賢くて、かっこいいという矛盾を合わせ持った存在なのは、昔、鴻上尚史の演劇でよく観たので予想通り。ギンは、彼が出会う男たちが、彼の過去や未来を想起させるキャラばかりで、その連中との関係性で、ギンの人物像を描くやり方がいかにも今監督らしいと思った。