selector infected WIXOSS 第11話「あの夏は憧憬」
「WIXOSS」のゲームルールを説明しないのは別にいいのだが、セレクター絡みの、願いが叶う条件さえもどんどん曖昧になり、それを「行き先の見えない思春期の心象」とダブらせてる分、理屈ではなく(理屈ではどうにもならないので)不穏な空気感や、今回のサブタイトルが示すような幸福な「夏」にたどり着かないかもしれないでもたどり着きたいといった、季節感で語らせてる感じはある。今回に限らないが背景画や色味の効果に結構比重が置かれているのもそのせいだろう。
そういったアプローチの仕方である以上、お話がどこへ向かうのか分からないので視聴者は色々展開を予想する楽しみはあるのだが、作品側が正解とは行かないまでも、ある程度の明確な落としどころやアウトラインを示すかどうかは怪しく、例えバッドエンドではなくとも漠然とした心象風景を示して終わる可能性は高い。視聴者も妄想の着地点を見つけられずに不安なまま放置されることになるだろうが、それがストレスのままで終わるか、良い意味で視聴者側で勝手に発展していくか、さらにはそれらが作品側に回収されてアニメ二期に上手く繋がるような好循環を生むのか、個人的には良い方向に転がることを期待したい。